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非文法的自由記述データからの有意情報抽出技術の開発

 本開発は、近年マーケッティング手段の主流となっているインターネットや携帯電話からの顧客の自由記述意見の活用を実現する技術である。電子掲示板に代表される意見記述は、紙への記述と異なり、入力の気軽さから非常に非文法的な文章で、従来研究されている自然言語処理方法で対処することが難しい。本開発では、文章中の単語のみに着目して内容を特定し、出現する単語の組み合わせや入力時の背景情報から文脈を推定することで、省略されがちなキーワード単語を補完している。また、出現する単語の組み合わせを検出する際には、有意な組み合わせであるかどうかを判定するため、出現位置や同一文章中の他の組み合わせとの含有関係を考慮している。これらを実現することで、電子掲示板上の意見や、携帯電話で入力された自由記述アンケート文を内容ごとに自動分類し、有意情報抽出を可能にした。特に、アンケート結果の分類では、実データにより、その分類の精度や抽出の有用性が確認されている。さらに、通常ありがちな意見は同一内容ごとに分類しその時系列変化をグラフ表示したり、分析者が読むべき特異な意見を効率的に抽出して読みやすい形式で表示することも行われている。

 近年の急速なネット社会の発展および顧客ニーズの多様化に対応するためには、インターネットや携帯電話を活用し、単に選択的なニーズ調査ではなく、顧客から自由な発想のニーズを抽出することが非常に重要になっている。従来の自然言語処理的手法では構文解析や統計的な処理が主流となっており、入力となる文章の整形が必要であるが、本開発が対象としている文章は非文法的であり、また新語、造語、略語が多用されているため、従来手法では対応できない。本開発では、文法を考慮せず単語のみに着目した処理や、付帯的に意見記述に付けられる情報を活用するなど、電子記述入力の特徴を活かした技術であり、学問的な貢献が大きいと考える。

 また、本技術は実際の携帯ゲームコンテンツのアンケート回答データの分析に日常的に使用されており、顧客分析業務の効率化に大きな効果をあげている。この他、本技術は、企業における日報や職務メモなどに見られる非文法的文章の分析の基礎技術としても活用されている。このように本技術は実用面でも、今後益々増加すると考えられる非文法的な文章の分析に大きな貢献をすると考えられる。

 電気学会は、この成果を称えて、平松綾子氏(大阪産業大学)、薦田憲久氏(大阪大学)、大礒洋明氏(コーデトーイズ㈱)に、2006年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。

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