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66kV級限流器用高温超電導マグネットの開発

 経済産業省の「交流超電導電力機器研究開発」プロジェクトにおいて、系統に生じる事故電流を瞬時に抑制する超電導限流器に関する研究開発を実施し、実用化の基礎技術を確立した。超電導限流器は、通常運転時のインピーダンスが極めて小さく、ある電流値を越えると瞬時にインピーダンスを発生して電流を抑制する特性を持つので、電力機器や電力系統の保護に効果的である。

 本開発では、超電導機器として世界最高電圧である66kVの電力系統へ適用可能な技術を実証した。液体窒素中の電界緩和シールド対策や、材料まで踏み込んだ電流リードの開発などにより、JECに準拠した対地間交流140kVrms×1分と雷インパルス350kV両極性×3回の耐電圧を達成した。また、Bi系超電導線材を適用した超電導マグネットとして世界最大電流容量1000A通電を実証した。さらに、短絡発電機を用いた印加電圧20kVでの限流性能を実証し、同時に進めた数値シミュレーション波形との良い一致も得て、限流器設計手法を確立した。

 近年、電力自由化やITの進展、エネルギー・環境面からの分散電源の導入拡大などにより、電力系統は複雑化し、系統故障時の短絡容量も増大し、電力の品質や信頼性の確保のために、系統保護に対する要求が強く求められている。超電導限流器は、短絡電流が設定値を越えた瞬間から抑制保護できる特性を有するため、実用化の期待が高いが、電流容量や耐電圧、冷却技術などの面での問題解決が重要課題であった。

 本開発では、66kV級電力系統に適用できる世界最大容量66MVAの超電導限流器の設計・製作を行って、JECに準拠した耐電圧試験はもちろん、短絡発電機を用いた印加電圧20kVでの限流性能試験も実施した。その結果、所期の性能を十分に実証し、超電導限流器に用いられた世界最大容量の高温超電導コイルの設計・製作技術も確立できた。

 米国の大停電に代表されるように、今後増大する系統連系持の故障電流を瞬時に抑制する機器の重要性が認識されており、超電導限流器の高速応答性の成果がその対策として有望であることが示されている。本成果により、超電導限流器技術は電力系統保護機器としての実用化に向けて大きく歩を進めたといえる。

 電気学会は、この成果を称えて、矢澤孝氏、酒井正弘氏(㈱東芝)、徳永義孝氏(東京電力株)に、2006年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。

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