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小規模超電導電力貯蔵装置(SMES)の実用化開発

「超電導電力貯蔵システム技術開発」プロジェクトにおいて、世界で初めて1万回の10kA級高速充放電繰返通電をコスト低減設計の10MJのモデルコイル装置により成功させるなど、本格的電力機器への適用性について技術的経済的成立性を検証し実用化の展望をはっきり示した。

電力自由化やIT化の進展、エネルギー・環境面からの分散電源の導入拡大などによって、電力系統の運用も複雑化してきており、電力系統の安定度をはじめ、系統故障時動揺抑制や負荷の変動補償等電力品質や信頼性の確保が強く求められている。SMESは、電力の入出力応答が速く、また繰返しに強い等の優れた特徴を持っていることから、これらニーズに対応できる電力機器として早期実用化が強く期待されてきた。1999年度(平成11年度)から超電導導体を中心にコスト低減化技術開発を行い、2003年、系統制御用実機SMESと同じ経験磁界、定格電流を基本仕様とするモデルコイルで、設計どおりの結果と予期以上の急峻電流(2000A/s)での運転性が確認されるなど、系統制御用SMES実用化のための経済性と性能両立性が検証された。

電力流通における品質対策が重要になる中、電力系統制御技術を低コストで実現することは、経済発展・国民生活の安定に大きく貢献する。SMESはその特徴から早期実用化の期待が高いが、コスト面での問題解決が重要課題であった。本開発では、ニーズの明確な系統安定化及び負荷変動保証・周波数調整の用途に目標を絞り込み、低コスト超電導導体を実現し、実用機性能を検証できるモデルコイルの設計・製作を行って、10kA級定格通電は勿論、世界初の1万回(5000回充電及び5000回放電)の10kA級充放電繰返通電、2000A/秒の高速通電試験などを実施した。その結果、所期の性能を大幅に上回る性能が確認され、コスト低減を図った世界標準となる超電導導体・コイルの設計・製作技術を確立できた。折しも米国の大停電に関連し、初期の電力系統動揺を迅速に抑えることが重要であると認識され、SMESの高速応答性などの成果がその対策として有望であることが示されたといえる。これらの成果によりSMES技術は、電力系統制御機器としての実用化の向け大きく歩を進めた。

電気学会は、この成果を称えて、平野直樹氏(中部電力)、寺薗完一氏(九州電力)、花井哲氏(東芝)、大崎博之氏(東京大学)、辰田昌功氏(国際超電導産業技術研究センター)に、2004年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。

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