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変電機器における非標準雷インパルス波形評価法の構築

 変電機器の絶縁合理化・試験電圧低減が進められてきているが、残された重要な技術的課題として、機器に加わるサージ電圧波形、特に雷サージ・断路器サージなどの雷サージ領域の過電圧の波形評価がある。この過電圧波形(以下、非標準波形と称する)は、一般に標準波形より立ち上がりが早いが減衰が大きいため、標準波形より絶縁的に厳しくないことが多く、正確に評価することにより絶縁仕様の低減、さらに機器コストダウンにつながる可能性がある。

 以上を背景に、本評価法の構築検討では、最初に雷サージ・断路器サージ解析やフィールドの実測結果に基づき、5種の基本タイプに絞り込んだ非標準波形の特徴を抽出して、振動周波数、減衰率、波頭長、ピークとフラット部の比などのパラメータを選定した。次にGISではガスギャップとスペーサ沿面、油入変圧器では油ギャップ・ターン間絶縁・セクション間絶縁の絶縁要素モデルに関して、パラメータを振りながら100種類以上の非標準波形に対する絶縁特性を取得した。それらの絶縁特性を継続時間評価など総括的に取り扱えるまとめ方を検討し、得られた絶縁特性データベースを基に、一般的に非標準波形を標準波形に等価換算する手法を構築した。

 従来のサージ領域の波形評価方法としては、ある閾値以上の波形面積で評価する「面積則」が一般的であるが、元々の導出の原理からは適用範囲外であり、様々な対象の絶縁構造に対する閾値の設定や振動の谷間の取り扱いなど、実際の機器の非標準波形の評価としては十分なものではなかった。また評価方法を構築するためのベースとなる非標準波形に対する絶縁特性データは、ほとんどない状況であった。

 これに対し、本評価法の構築検討では、数百種類のサージ解析・実測結果を分析して非標準波形の形状パラメータを定め、機器の絶縁構造ごとにそれらの非標準波形に対する絶縁特性を、任意の非標準波形を発生する高度で膨大な量の実験をこなして取得した。この大量データの統一的検討の段階では、絶縁破壊メカニズムに基づく新たな評価方法を考案し、最終結果としてGISおよび油入変圧器に対して、一般的に非標準波形を標準波形に等価換算する手法を構築した。

 この波形評価方法を適用すると、波高値が数10%低減され、相応の機器コストダウンが図れる結果を得ている。本評価法は現実に絶縁仕様決定の場で用いられ始めている完成度の高いものであり、直接で膨大な実験結果に基づく画期的な手法の構築といえる。

 電気学会は、この成果を称えて、岡部成光氏、湯浅禎之氏、向當政典氏(東京電力㈱)に、2004年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。

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