1. HOME
  2. 電気・情報関連(専門)
  3. 研究情報(登録番号1428)

Tキューブレーザーによる高エネルギー粒子発生技術の開発

 近年、レーザーを用いて薄膜表面にプラズマシースを形成し、シース内部の高電界を利用してイオンを極めて高速に加速できることが明らかとなった。その加速電圧は数メガ電子ボルトから数10メガ電子ボルトにすることも可能である。

 開発者らは極めて早い段階からこの研究に取組み、「Tキューブレーザー」といわれるテーブルトップのTW出力のレーザーを用いて、ガン検診への応用が期待されている陽電子放出トモグラフィーに使用される陽電子放出核種である炭素11の生成に成功した。また、これまで主としてサブピコ秒の大型ガラスレーザーで行われていたこれらのイオン加速実験を、従来の1/10程度の60フェムト秒程度の時間領域で行い、60フェムト秒でのイオン発生特性を実験的に明らかにした。さらに、200ミリジュール程度の少ないレーザーエネルギーにおいても、2メガ電子ボルトもの高速プロトンの発生に成功した。この過程において、ターゲット用テープ駆動時の位置精度±15μmで5μm程度の薄い銅テープを駆動できる実用的なテープ駆動装置を開発した。以上の技術はパルスパワー技術および高電圧工学分野において新しい展開をもたらすものである。

 現在、超高強度レーザーを用いた高速電子の加速や高速イオンの発生についての研究・開発が活発に行われている。この中でもガン治療や検診などに適用できると期待されている高速イオン発生が注目を集めている。

 開発者らはこれらの研究の初期段階から研究に取り組み、これまで、Tキューブレーザーを用い、(1)陽電子放出核種の生成を実証し、その核種の陽電子放出トモグラフィー(PET)診断への適用を提案した。(2)実用上重要な、高繰返し・小型レーザーのパラメータ領域での高速イオン特性を明らかにした。(3)200ミリジュールという僅かなレーザーエネルギーでも2メガ電子ボルトの加速電圧が得られることを明らかにした。(4)実用的なレーザー照射ターゲットを開発した。以上のことから、開発者らはレーザーを用いた高速イオン源の特性に関する知見と基盤となる技術を確立した。

 これらの研究成果は今後、高電圧工学やパルスパワー技術における新分野に発展するものと期待される。

 電気学会は、この成果を称えて、根本孝七氏、大石祐嗣氏、名雪琢弥氏((財)電力中央研究所)に、2004年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。

関連する研究を検索

分野のカテゴリ

電気・電力
(産業応用)

関連する出来事

データなし

世の中の出来事

2004
スマトラ沖で地震(M9.0)が発生し、死者・行方不明者数が30万人以上に上る。

Webページ

データなし

博物館等収蔵品

データなし

キーワード

その他(電気応用)
Page Top