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リアルタイム部分放電特定手法の開発

 ガス絶縁開閉装置(GIS)内部の絶縁異常を瞬時に判定するための部分放電検出技術は、GISの信頼性を担う技術として国際的にも要求が高い。部分放電パルスを検出することで、金属密閉されたGIS内部の絶縁異常発生部位を特定し、地絡事故を未然に防止するには、10-9秒オーダーという超高速な部分放電パルスであっても、個々のパルスレベルで瞬時に発生部位を特定できるリアルタイム診断の実現が必要とされる。

 本開発では、GISに対して同軸対称・非対称となる2種類のセンサを適用するというアイデアを発案し、従来まで不可能であった、個々の部分放電パルスのみで発生部位・ノイズを特定するという画期的なリアルタイム診断手法を開発した。これは2種類のセンサの出力電圧比によって、発生部位・ノイズごとに異なる高調波電磁界分布を区別するという新規な診断原理を考案・実証できたことによる。この顕著な成果を本開発にて切り拓いたことで、従来手法では特定困難であった間欠的な部分放電でもリアルタイム特定が可能になった。また、従来手法では特定不可能であった直流送電下での部分放電でも、診断原理を確立したことで部分放電特定の素地を築くことに成功した。

 数十年利用され続け国際的認知度も高い部分放電特定手法は、交流波形を基準信号に用い、この基準信号に同期させて数百個もの部分放電パルスを取り込みパターン照合するという診断原理である。しかし実際のGISでは、数百個ではなく間欠的・断続的な部分放電パルスの方が高確率で起り得るうえ、従来手法でパラーン照合するには最低でも交流波形の数サイクル分(10-3~100秒オーダー)のデータ取得時間が必要となるため、10-9秒オーダーでのリアルタイム診断は不可能である。さらに交流波形を基準信号にできない直流送電下での部分放電特定に関しては、絶縁診断の対象から外されていた。

 これに対し本開発では、交流波形に依存することのない個々の部分放電パルスで発生部位・ノイズを瞬時に特定するため、データ取得時間を10-3秒から10-9秒へと大幅に短縮できたことになり、従来までの部分放電検出技術を飛躍的に進歩させたといえる。特に、間欠的な部分放電の特定や直流送電下での部分放電特定に対しても、これらの診断原理を初めて確立したこととなり、絶縁診断分野のブレークスルー技術として十分値する。

 本開発の中でも特に、2種類のセンサの出力電圧比でGIS内部の高周波電磁界分布を区別できるという全く新規な診断原理を考案・実証したことは世界初であり特筆に価する。従来手法の診断原理は発生パターンという放電物理現象に基づいているが、放電物理現象でさえも特定しにくい発生部位を電磁界分布で容易に特定したことは画期的である。

 以上のように、本開発はGISの部分放電技術に数十年適用されてきた従来手法を技術的に凌駕する内容である。

 電気学会は、この成果を称えて、星野俊弘氏、野嶋健一氏、花井正広氏(TMT&D)に、2003年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。

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