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プラズマ合体研究装置TS-4の完成と各種コンパクトトーラス生成実験の成功

 核融合磁気閉じ込めプラズマ研究の主流であるトカマクでは、外部から強いトロイダル磁界を加えるとともに、プラズマ内にトロイダル方向の電流を流して閉じ込め配位を形成する。この方式では、巨大なトロイダル磁界発生コイルを必要とするため、将来の経済性向上には、極力その起磁力を小さくする一方でプラズマ内の自己内部電流を増大させて閉じ込め磁界を作る、いわゆるコンパクトトーラス、と呼ばれる内部電流方式を研究開発することが必要となる。内部電流方式は一般に固有の電磁流体不安定性を誘発する可能性が高いため、いかなる内部電流方式が経済性と安定性との両立を実現できるのか、この比較評価が研究の中心となる。具体的な内部電流方式としては、外部トロイダル磁界がゼロの逆磁場配位(FRC)、スフェロマック、それが非常に大きい球状トカマク、その中間の低qトカマク、さらに外部と内部でトロイダル磁界が反転する逆転ピンチなどがあり、それらは従来異なる研究機関で独立に研究されてきた。本研究においては、過去の基礎研究の成果を踏まえて、これらの多様な全ての方式を一つの装置において生成できる「完全誘導電流立ち上げ合体方式」を提案し、それに基づくTS-4装置を世界に先駆けて完成させた。この装置によって上記の全ての閉じ込め方式のプラズマ生成を実現できることが実証され、それらの各種相互比較研究が可能となった。この装置は内部電流系プラズマ閉じ込め方式の研究を飛躍的に前進させ、プラズマ閉じ込め基礎研究に大きく貢献するものである。

 本研究は、約20年前に桂井教授のスフェロマックプラズマ合体研究の先駆的、独創的、かつ挑戦的提言をもとに本研究内容にかかわる基礎研究を開始したもので、小型のTS-1、TS-2装置による基礎研究の成果を受けて、本格的実験装置TS-3装置を完成させ、同装置を用いて約10年にわたって各種の内部電流系プラズマの生成と合体、および閉じ込め維持特性の相互比較研究、および磁気リコネクション研究を展開してきた。その独創的な着想と先駆的な成果は電気学会論文誌にて多数報告されてきたのみならず、英文ジャーナルにも多く掲載され、また国際会議の招待講演にも採択され、国際ワークショップでも高い評価を得てきた。そのような背景のもとで、本研究内容にかかわるところの本格的実験装置TS-4の設計と製作が開始され、2000年4月には予備実験装置であるProto TS-4装置を完成させて基本構想の検証を行い、その成果を受けて本格的な実験装置TS-4を2002年4月に完成させた。その後、同装置の基本性能試験を行って当初予定の動作を確認し、さらに基礎研究を開始して、国際会議、国際ワークショップにて成果を報告するにいたっている。

 プラズマ合体装置の教育研究面での有用性は本研究グループによって先鞭をつけられ実証され、諸外国においてそれらを採用する新規プロジェクトが発足するなど、磁気閉じ込めプラズマ研究の進歩に大いに貢献する成果をあげている。

 電気学会は、この成果を称えて、桂井誠氏、小野靖氏、鶴田繭子氏(東京大学)に、2003年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。

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