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次世代42V電源を活用したマイルドハイブリッド車の開発と実用化

 地球温暖化や省エネルギーへの対応から車両の燃費改善が急務である。また、特に都市環境の改善を狙いとした車両停止時の「アイドリングストップ」の要請も高くなってきている。開発者らはこれらの要請に応えるため、小出力のモータと次世代42V電源を活用した独自の駆動システムを構築することを目的として、新しい発想で多くの技術的課題を解決し、低コストでかつ既存の車種への展開を容易とした全く新しいハイブリッド(マイルドハイブリッド)車を開発し、世界に先駆けて商品化した。

 本システムは、エンジンのクランク軸とベルトを介して連結するM/G(モータ/ジェネレータ)を従来車両のオルタネータに替えて配し、そのM/Gを電子制御することで、①エンジン停止時のエンジン再始動、②発進時のモータ駆動、③エンジン停止時の複機駆動、④通常走行時の発電、⑤減速制動時のエネルギー回生の機能を有する。これを実現するための42V電源システムとして、世界初の量産36V鉛シール電池、界磁巻線式M/G、トレンチパワーMOS等の新規技術開発の量産・実用化にも成功した。これらは今後の世界ハイブリッド車普及と、42V電源の実用化に大きく貢献するものである。

 従来のハイブリッド車(例えばプリウス)は、本格的なEV走行機能を有するために200V以上の電圧、大容量バッテリなど、システムの複雑さと高コストの課題があった。本システムは従来パワートレーンを大幅に変更せず、ベルト駆動式のM/Gとモータ駆動をエンジン効率が悪い発進時に集中させ、小出力モータ(数KW)を次世代電源として注目される42Vで駆動し、簡素なシステムを実現した。これらの柔軟な発想と新しいハイブリッド車のジャンルを切り開いた功績は大きい。

 本システムを世界で始めて搭載した車両(クラウン)での効果は、国内燃費で15%の改善、また低排出ガスレベルの達成(J-LEV、H12年排気ガス規制のさらに50%減)に大きく寄与し、低公害車として政府公用車にも採用された。また、滑らかで違和感のない発進性能と電磁クラッチによるアイドルストップ時のエアコン動作等、高級車に相応しい快適性も確保され、車両の完成度も高く次世代の車として世界をリードしている。

 今回、採用された42V電源システムで、36V鉛シール電池のバッテリ制御、寿命性能確保が、マイルドハイブリッド用に適用・実用化された。また、パワーコントロールユニットも42V車専用の小型インテリジェントパワーMOSモジュールの新規開発をはじめ、コンパクト設計の工夫が随所に見られる。

おりしも、国際的に42V関連システム・部品開発が進む中、多くの技術課題に新しい視点で挑戦し、世界初の量産車を出した意義は大きく、電気・電子分野の新しい技術領域の拡大と次世代電源42Vによる将来車の可能性も示した。

 電気学会は、この成果を称えて、寺谷達夫氏、立花武氏、安保正治氏(トヨタ自動車㈱)に、2002年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。

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