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エアコンにおけるDCブラシレス圧縮機駆動用ベクトル制御インバータの開発

 省エネ、高暖房能力、新冷媒などエアコンに対する要求は「環境」をキーワードに益々高くなってきている。さらに、2003年から始まるエアコンの省エネ規制「トップランナー方式」により、DCブラシレスモ-タを搭載する圧縮機の効率向上が重要な課題となっている。

 東芝キャリアはエアコン業界において初めて「ベクトル制御によるDCブラシレスモ-タの正弦波駆動」を実用化した。本技術の実現によりモータ効率の向上と騒音低減がなされ、エアコンの商品性向上に大きく寄与している。

 民生用機器であるエアコンのベクトル制御を行うため、低価格帯のDSP(ADMC328)を採用し、最低限のROM/RAM容量でソフトウェアを開発した。また独自のモータ電流回路を考案し、システムコストを抑えることでベクトル制御を実現した。

 ベクトル制御インバータは、2000年10月から東芝家庭用エアコン「大清快」、01年2月から業務用エアコン「スーパーパワーエコ」に搭載されている。その業務用エアコン「スーパーパワーエコ」は2000年度「省エネ大賞」を受賞している。

 ベクトル制御自体は産業界では実用化しているが、家庭用エアコンでは大幅コストアップになるため、実用化は当分難しいと考えられていた。しかし低価格DSPの到来により高機能制御用マイコンのコストが下がり、後はモータ電流検出をいかに低価格で実現するかが大きな問題になっていた。

 東芝キャリアはモータ電流検出に従来のホール素子による検出ではなく、安価な交流CTに補正を入れる独自のアイデアで、低価格の絶縁型モータ電流検出器を考案した。交流CTの持つ周波数変動を補助巻線でキャンセルする方式で、幅広い周波数領域(10Hz~120Hz)をカバーする「簡易型モータ電流検出CT」を実用化した。

 低価格でベクトル制御を実用化できる技術確立により、本方式はエアコン用インバータのみならず、インバータを使用している民生機器(洗濯機、冷蔵庫、ファン等)にも広く普及できると考えられる。

 加えて地球環境を考えた場合、本技術を一企業内に留めるのではなく、エアコンの省エネ技術を広くしかも世界に普及させる必要がある。そこでベクトル制御機能を有するインバータを「IPPU (Intelligent Power Drive Unit」という部品にして、他社への外販も01年6月から開始している。IPPUには既に国内各社から広く引き合いが来ている。

 電気学会は、この成果を称えて、蛭間淳之氏、神戸崇幸氏、温品治信氏(東芝キャリア㈱)に、2002年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。

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