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2極-60Hz、1,000MWタンデム型タービン発電機の開発・完成

 火力向けタービン発電機の大容量化は1970年代より頭打ちになっていたが、近年、電源立地点の最大限活用、石炭火力の経済性追及および環境保護の点から大容量化と効率化の要求が高まってきた。中部電力株式会社碧南火力4、5号機向けに2極、60Hz、タンデム型タービン発電機が開発・製作され、2001年11月8日、4号機が営業運転に入った。本機の容量は1,120MVAで、タンデム型としてはこれまで国内最大800MVA(700MW)機の1.4倍の容量で世界的にも最大容量機である。これを実現するため、鉄心端磁束シャント、低損失固定子巻線等の各種技術により出力係数(電気装荷X磁気装荷)を1.2倍とし、発電機体格の増加を極力抑えて1.2倍にとどめた。また、運転性を考慮して回転子長と径の比率を実績のある700MW機より小さくなるように設計し、回転子大口径化による遠心力の増加に対し1,000MPa級の軸材、1,300MPa級の保持環材を開発し適用した。この他、実機大モデルによる信頼性確認、軽量・小型化技術と高効率化技術の組合せにより体格・重量を増加させずに99.00%効率を実現させ、2極-60Hz、1,000MWタービン発電機を開発・完成した。

 タービン発電機の大容量化は、軸材の製造技術、巻線冷却技術の発展によるところが大きい。

 1,000MW機の開発では、既設大容量機の実績反映、検証された基本技術をバランス良く組合わせた最適設計、実績を超えるものについての信頼性確認、スペース・コスト低減のためのコンパクト化を基本方針として、高信頼性、高性能はもとより優れた運転性と保守性を実現している。遠心力が大きく最も難しい2極、60Hzタンデム型発電機の大容量化を実現するには、軸材の開発から始める必要がある。製鋼メーカと協力して確立した既存技術をベースに高強度の軸材、保持環材の開発に成功した。

 この軸材を採用して最適設計がなされたが、ここでも信頼性を重視しつつ容量増大に伴う諸問題を解決している。回転子設計では、運用性を考慮して既設機よりも振動応答感度が低くなる最適な軸長が選定されている。電気基本設計では、電気装荷の増大に対し最新手法を用いた解析、検証試験、既設機の実績調査を実施して設計を行っている。さらに同径縮長のモデルを製作し製鋼方法、加工方法の確認をし、回転検証試験にて各部の応力、変位、温度を測定し設計技術の妥当性を確認している。さらに、最新技術設計により、99.00%の高効率と軽量化が達成されている。このような開発段階を経て実機が製作され、加工・組立て精度の適切な管理、最新の組立て作業により発電機は完成した。その後の、工場試験、現地試験により効率、振動値、温度上昇等、発電機諸性能が確認され、2001年11月に営業運転に入った。

 このように、1,000MWタービン発電機の開発・完成は、電気工学、材料工学の集大成であり、画期的な事業成果である。

 電気学会は、この成果を称えて、滑達彦氏(中部電力㈱)、大高徹氏(㈱東芝)、田里誠氏(東芝テクノコンサルティング㈱)に、2002年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。

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