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高度配電自動化システムの開発、実用化

 関西電力の本配電自動化システムは、1985年に策定した配電総合自動化構想に基づき、お客さまニーズの高かった停電時間の短縮などを目的に開発し、88年度より全41営業所に順次展開をしてきた。その結果、①供給信頼度の向上、②現地開閉器操作等の現場業務の省力化、③設備利用率の向上が図られている。

 電力自由化に伴う電力大競争時代の中で、さらなる投資抑制、業務効率化、およびお客さまサービスの向上を図るため、汎用化、標準化、低コスト化が進む最新のIT(情報技術)を積極的に活用し、開発費用を抑え、大きな効果を実現できるこの「高度配電自動化システム」を開発した。本システムは既に、3営業所において運用を開始し、投資抑制や停電時間の短縮等当初計画どおりの目標を達成している。

 この高度配電自動化システムでは、さらなる設備投資抑制を図るための配電線利用率向上方策として、停電事故時の早期復旧のために平常時の配電線負荷に余裕を持たせていることに目を付け、全ての配電線が高利用率運用されていても、停電事故時にこれまでより広い範囲から電力融通を行えるよう機能開発した。これは、従来のAI(人工知能)手法に加え、MH(最適組合せ探索)手法をリアルタイム制御へ適用し、隣接配電線からの融通段数が3段までであったものを5段までの範囲に拡大できる高速多段切替機能を実現したものである。

 また、業務効率化、およびお客さまサービスの向上を図るため、情報・業務系システムであるワンストップサービスシステム(OSSシステム)とシームレスに連携し、設備・お客さま負荷データ、および停電事故復旧情報を一元管理して相互自動配信する機能を開発した。これにより、従来自動化システム単位で実施していたデータメンテナンス業務の省力化、および停電事故発生時のお客さまサービスの向上が実現した。

 さらに、送配電系統の一体的運用による設備・業務の効率化を目指し、変電所等上位系システムを監視制御する電力系統監視制御システムとの連携機能を開発した。これは、部門間の系統運用情報相互連絡を従来の電話・ファクシミリでなく自動送受信できる機能であり、変電所構内事故発生時に変電所から配電系統にいたるまで一連の復旧操作を自動実行でき、停電時間が大幅に短縮できる。またお客さま受電情報や変電所機器操作依頼等平常時の系統運用情報も自動送受信でき、日常の業務効率化も図れている。

 このように、本開発システムは、従来の配電自動化システムを、最新技術を駆使して操作レスポンスの向上等の処理を高速化するだけにとどまらず、全く新しい融通計算手法の開発や、OSSシステム(情報・業務系)、電力系統監視制御システム(制御系)までの幅広いシステム連携を実現しており、さらなる投資抑制、停電時間の短縮による信頼度の向上、および電力自由化へ対応できるお客さまへの総合生活サービス実現への中核システムとして実現できた。

 電気学会は、この成果を称えて、長谷修次氏(関西電力㈱)、井上汎氏(㈱日立製作所)、池田一成氏(三菱電機㈱)に、2002年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。

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