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きく2号によるミリ波帯電波伝搬の研究

ETS-II (Engineering Test Satellite Type II)

図1 ETS-II (Engineering Test Satellite Type II)

ETS-II実験システム概略図

図2 ETS-II実験システム概略図

降雨レーダ測定モードと運用シーケンス

図3 降雨レーダ測定モードと運用シーケンス

ETS-II 実験結果1  

34.5GHz及び11.5GHz の降雨減衰時間率とレーダデータから推測した2波の降雨減衰時間率

図4 ETS-II 実験結果1 

34.5GHz及び11.5GHz の降雨減衰時間率とレーダデータから推測した2波の降雨減衰時間率

ETS-II実験結果2  

降雨減衰継続時間の時間率

図5 ETS-II実験結果2 

降雨減衰継続時間の時間率

ETS-II 実験結果3   

34.5GHz/11.5GHzの交差偏波識別度(XPD)の年間時間率

図6 ETS-II 実験結果3

34.5GHz/11.5GHzの交差偏波識別度(XPD)の年間時間率

ETS-II 実験結果4 

34.5GHzと11.5GHzのXPD(交差偏波識別度)の継続時間の年間統計

図7 ETS-II 実験結果4

34.5GHzと11.5GHzのXPD(交差偏波識別度)の継続時間の年間統計

ETS-II 実験結果5  

1.7GHzシンチレーション日変化

図8 ETS-II 実験結果5 

1.7GHzシンチレーション日変化

ETS-II 実験結果6 

磁気嵐とGHz帯シンチレーション

図9 ETS-II 実験結果6

磁気嵐とGHz帯シンチレーション

ETS-II 実験結果7 

GHz帯シンチレーション変動のスペクトラム

図10 ETS-II 実験結果7

GHz帯シンチレーション変動のスペクトラム

ECS/ETS-II 計画年表

表1 ECS/ETS-II 計画年表

ETS-II 回線設計

表2 ETS-II 回線設計

ETS-II 取得データ項目

表3 ETS-II 取得データ項目

 衛星通信系へのミリ波帯電波の導入は、今後予想される無線通信需要の増大と多様化に対処するための有力な手段の一つであり、又、新しい周波数資源の開発という見地から、世界的にも重要な研究課題となっている。ミリ波帯電波は、その広帯域性、装置の小形軽量性、アンテナビームのせん鋭性など、衛星通信にとって極めて有利な条件を備えている反面、降雨による減衰および散乱などの電波伝搬特性に関して、解決されるべき幾つかの問題を残している。従って、ミリ波衛星通信の実用化を図るためには、装置の開発と共に、高仰角伝搬特性の解明ならびに降雨減衰補償技術の確立が要求される。

 糟谷績氏、石田享氏、塚本賢一氏は、1967年(昭和42年)に技術試験衛星Ⅱ型の打上げ計画が決定されるや、同衛星を用いたミリ波伝搬実験計画を提案し、電波研究所において衛星とう載ミッション機器の研究開発ならびに地上施設の整備を推進してきた。そして1977年(昭和52年)2月23日に宇宙開発事業団により、同衛星が"きく2号"として成功裡に打上げられると、直ちに実験を開始し、今日に至るまでの約1年間にわたり、極めて貴重かつ豊富な伝搬データを取得することに成功し、それらの解析から幾多の優れた研究成果を発表している。

 きく2号によるミリ波帯電波伝搬実験の特色の一つは、衛生に登載された送信機にある。すなわち、互いに位相のコヒーレントな、1.7、11.5および34.5GHzの3波を同時に送信し、その上それらに特殊キーイング変調を施すことによって、超狭帯域受信方式による大幅な受信スレッショルドの改善を実現した。その結果、ミリ波を含む広い周波数帯域にわたって、位相情報をも利用した高精度のデータを得ることに成功した。又、一方、ミリ波帯用大口径地上局アンテナの建設にあたって採用された、面精度、多周波共用給電系および受信装置の改善に関する斬新な技術、更にはミリ波伝搬特性の解明のために特に開発された気象用レーダも、他に類を見ないこの研究の特色である。こうして得られた伝搬データからは、降雨、雲、氷晶などの気象諸要素だけでなく、電離圏パラメータとの関連においても、数々の興味ある知見が得られており、本実験システムの有効性が実証されている。

 このシステムの開発とそれによる研究成果は、引続き実施される多くの衛星による伝搬実験の基礎を与えるものであり、更に将来のミリ波帯衛星通信の実現に大きく貢献するものである。

 本研究の成果に対して、電子情報通信学会は、1978年、糟谷 績、石田 享、塚本賢一に電子通信学会業績賞を贈った。

文献

[1] T.ISHIDA, N.FUGONO, J.TABATA, M.OHARA, T.ISHIZAWA, Propagation experiments with Japanese satellite, ETS-II(KIKU-2), Paper presented at the 28th IAF Prague Czechoslovakia Sep. 25-Oct.1 1977, 1977年, Acta Astronautica Vol.7. pp357-370
[2] N.Fugono, R.Hayashi (RRL,Japan), Propagation Experiment in 1.7,11.5 and 34.5GHz with Engineering Test Satellite TypeII (ETS-II)-(KIKU-2), 1978年, AIAA 7th Communication Sat. Sys. Conf. San Diego, Apr.1978
[3] Nobuyoshi Fugono、Summary of millimeter wave propagation experiments using Japan's First geo-stationary Satellite "Kiku-2", 1979, Annales des Telecommunications tome 34 no.5-6 Mai-Juin 1979
[4] 代表 畚野 信義、技術試験衛星II型(ETS-II)「きく2号」ミリ波伝搬実験総合報告会、ETS-IIミリ波伝搬実験の始めての電波研究所のおける総合報告会、1978年、1978年5月23日同上報告会資料
[5] R.Hayashi and N.Fugono、Millimeter Wave Propagation Experiment with Geostationary Satellite ETS-IIofJapan、オタワで開催、1978年、1978 6.27-29 IEEE MTT-S シンポジューム
[6] M.Fujita N.Fugono R.Hayashi and T.Teshirogi、ETS-II Microwave Propagation Experiments, 同時に、あと2つの論文が発表された。
T.Ihara et al:Tropoapheric Effects on ETS-II MMW Prop.
J.Awaka et al;Ionospheric effects on the Progation of GHz beacons from ETS-II、1978年、ISAP 仙台 1978 8.29-8.31
[7] 石田亨他 (郵政省電波研究所)、技術試験衛星II型(ETS-II)「きく2号」電波 伝搬実験用地上施設特集号、1978年、電波研究所季報第24巻第126号
[8] N.Fugono, R.Hayashi, Y.Ishizawa et al.、"ETS-II Propagation Experiments:Project of Japan's First Geostationary Satellite", 2.Propagation Experiments Earth Station Facilities
3.Same above Weather Radar System
4.Propagation Experiments:Characteristics of mm and quasi-mm Wave Propagation
5.same above Effects of the Ionoshphere、1980年、IEEE Trans. on AES-16, No.5 Sept.1980 pp549-603
[9] N.Fugono、Summary of Millimeter Wave Propagation Experiments Using Japan's Geostationary Sattellite "Kiku-2", 1979年、Annals des Telecommunications Vol.34 Nos 5-6, May-June 1979 pp.299-318
[10] N.Fugono, K.Yoshimura and R.Hayashi, Japan's Millimeter Wave Satellite Communication Program, 1979年、IEEE Trans. on Communications COM-27 No.10 Oct.1979 pp1381-1391

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世の中の出来事

1978
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1978
成田空港が開港する。

Webページ

博物館等収蔵品

つくば宇宙センター 展示館「ETS-IIのEMモデル」

キーワード

ミリ波帯電波伝播、きく2号、ミリ波帯衛星通信回線、マイクロ波帯電離圏伝播、位相同期キーイング方式、高性能降雨レーダ、三次元降雨構造、高仰角電波伝搬、マイクロ波帯電離圏シンチレーション、アンテナ・伝播、衛星通信、宇宙航空エレクトロニクス
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