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7万kW級超電導発電機の開発

近年、新規電源の大容量化・遠隔地化にともない電力系統の安定度向上が、また、重要地点での系統電圧の適正維持などの諸問題が顕在化しつつある。さらに、環境負荷低減に向けて電力損失の一層の低減や低コスト化が社会的に要請されており、これらに対処するために、低同期インピーダンス、高進相運転能力、低損失(高効率)など優れた性能を有する超電導発電機の開発が望まれていた。

しかし、従来から超電導発電機は内外の多くの研究機関、メーカにおいて研究開発が進められたが、実負荷で連続発電に成功したものはわずかに100kW級機のみである。

そこで、数々の要素研究、部分モデル研究、この検証および7万kW機の開発、実証を進め、今回優れた性能と信頼性を有する7万kW級超電導発電機を開発した。

なお、本研究開発は、通産省ニューサンシャイン計画の一環で、超電導発電機関連機器・材料技術研究組合が受託し、実施したものである。

開発した7万kW級超電導発電機は、現用機に比べ、同期インピーダンスが1/5、損失が6割、進相運転能力が倍増し、重量が1/2になるなど優れた特徴(メリット)を有する。また、同機は、世界で初めて79,000kWの発電に成功、連続負荷運転800時間、連続運転1,500時間に成功し、系統事故時を想定した過酷な使用条件にも十分に耐えるなど、安定した性能と信頼性を実証した。さらに、これらの成果を基に、20万kW級機の設計製作技術確立の見通しを得た。

7万kW級超電導発電機の開発は、世界に例を見ない超電導発電機の実用化の目処を得たことであり、送電線の有効活用、発電効率の向上、調相設備の削減および発電機の小型化などを実現でき、電気事業の課題である低コスト、省エネルギー、省資源、低環境負荷型発電技術の実現へ大きく貢献する。また、超電導発電機の系統への導入は、電力系統の本質的強化につながり、電力システム構成に大きな変革をもたらすものである。

電気学会は、この成果を称えて、上田明紀氏(三菱電機㈱)、田中幸二氏(㈱日立製作所)、茂澄孝氏(㈱東芝)、谷口治人氏(電力中央研究所)、渋谷正豊氏(超電導発電機関連機器・材料技術研究組合)に、1999年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。


文献

[1] 谷口治人、北内義弘、熊野照久、有賀保男、超電導発電機のMG方式での運転特性と試験法、1996年、平成8年7月 電気学会論文誌B

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