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300X新幹線試験車両による最高速度443km/hの達成

300X新幹線試験車両は、「最新最良の高速鉄道システムの構築」をめざして製作された車両である。本車両は1995年(H7年)1月に落成し、各種性能試験の後、1996年1月より速度向上試験を行い、1996年7月26日に最高速度443km/hを達成した。当該試験区間は、建設後30年以上を経過し、昼間片道140余の多数の営業列車が通過する線区であり、走行試験そのものの安全に万全を期したのは言うまでもなく、翌日の営業列車運転に支障しないことを最優先として試験を遂行した。この300X新幹線試験車両は6両編成で、その出力は最大ピークで15000kwと、16両編成「のぞみ」型車両の120%出力であった。こうした大出力にもかかわらず、車両の主回路機器の徹底した軽量化を図り、車両重量が32t~40tと「のぞみ」型車両の10~20%減と軽量化された。さらに、車両性能的には当初の計画の性能を発揮しており、7月26日に最高速度を達成した時も計画通りの走行を行うことができた。

このように、営業線の安全を確保しつつ、443km/hと高速での走行を可能にしたことは、将来の高速鉄道の技術進歩にも貢献できると考えられる。

300X新幹線試験車両は東海旅客鉄道㈱が「最新最良の高速鉄道システムの構築」を目指して製作された車両である。車両の構成も高速鉄道の技術解明及び各種試験が可能なように配慮されている。車両の特徴としては、
高速試験用に軽量かつ大出力(短時間ピーク15000kwの出力)
高速走行試験を考慮した軽量車両(車両重量32t~40t)
走行抵抗や環境、騒音を考慮した2種類の先頭形状
高速走行のための台車拡大(2500mm→3000mm)
4種類の試作的構体構造
床下も含めた徹底したフラッシュサーフェィス(車両全体の平滑化)
などが挙げられる。

今回このような車両を使用し、昼間には多数の営業列車が通過する線区において日本最高の速度を達成し、さらに最高速度を達成した日においても平常通り営業列車を走行することができる鉄道技術の高さ、並びに、このような線区にて非常に速い速度で走行可能な車両を製作したことは、賞賛に値するものである。また、今回の試験の中で得られた事項は、今後の日本国内の高速鉄道に多大なる影響力を持つものと推定される。

電気学会は、この成果を称えて、石津一正氏(東海旅客鉄道㈱)、氏家昭彦氏(㈱東芝)、寺沢英男氏(三菱電機㈱)、井中正一氏(㈱日立製作所)、星野栄雄氏に(富士電機㈱)、1997年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。


文献

[1] 石津一正、木俣政孝、新幹線・高速化の現状と展望、1996年、平成8年10月 電気評論
[2] 氏家昭彦、田中茂、高橋英明、宮崎玲、DSPを用いた電気車両用PWMコンバータ瞬時値制御の開発、1993年、電気学会研究会資料 1993年9月2日 電子回路研究会 ELT-03-39~43
[3] A. Ujiie, S. Tanaka, E. Takahara, A. Miyazaki、Development of a Pulse Power Converter with a DSP Instantaneous Current Control、1989年、IECON '89 Annual Conference of IEEE IES, pp143-148

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キーワード

PWMコンバータ、走行安定性、集電性能、軽量化、環境、電気鉄道
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