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世界初の大容量直流500kV・OF海底ケーブルの開発

当時、新規電源の遠隔地化による送電距離の長距離化や、他社電力系統との広域連系による融通電力の増大から、直流送電のニーズが高まっていた。特に直流ケーブルは、従来の交流ケーブルの充電容量面の問題点を解決する、長距離送電に適した大容量送電線として脚光を浴びていた。

しかし、直流海底ケーブルの我が国での実績は、絶縁材料にクラフト紙を用いた北本直流幹線(250kV、300MW、600mm2)のみであったため、今回の紀伊水道直流連系計画では、より高電圧で大容量の直流海底ケーブルを開発する必要があった。

そこで、数々の研究・検証を実施し、世界で初めて直流ケーブルの絶縁材料に半合成紙(PPLP)を採用した、高電圧(北本の2倍)、大容量(同4.7倍)、大サイズ導体(同5倍)で信頼度の高い直流OFケーブルを開発した。この結果、布設条数を減らすことができ、資材費と工事費のコスト低減が可能となった。

なお、本開発は、電源開発、関西電力の2社と電力中央研究所および住友電工、古河電工、フジクラ、日立電線の電線メーカー4社との共同研究により実施した。

開発目標は、直流・500kV・1400MW・3000 mm2の高電圧・大容量化であるが、絶縁材料にクラフト紙を用いた従来設計では、絶縁厚が厚くなり、熱放散性が低下するため、製造能力を越える非実用的なケーブルサイズとなる。この高電圧・大容量化とケーブルサイズのコンパクト化というパラドックスを解決するには、絶縁厚の低減が不可欠な技術課題であった。

そこで、多岐にわたる研究に取組み、①半合成紙(PPLP)が優れた直流耐電圧特性を有すること、②導体直上へのクラフト紙の挿入が、正極性インパルス性能(耐過電圧特性)を改善する(20%)のに有効であること、③半合成絶縁紙による直流ケーブル絶縁設計を確立し、製造したケーブル・接続部を実規模に即した電気的・機械的試験を行い、実用性を確認できたこと、④品質を保証する構造・管理値を定め、長尺製造技術を開発し、長距離送電への適用拡大を可能にしたこと、等の成果を得た。また、開発最終段階では、品質管理技術と設計値を基に製造したケーブルが、40年相当の条件に耐えられることを、実線路を模擬したフィールド試験で確認し、更に残存性能評価試験により劣化傾向が認められなかったことから実用性能を充分満足していることを実証した。

電気学会は、この成果を称えて、原敏明氏(関西電力)、藤井宏一郎氏(電源開発)、合田豊氏(電力中央研究所)に、1997年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。

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