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新しい消弧方式によるガス遮断器の開発・実用化

近年の電力需要の増大に対して、電力需要過密地域では変電所用地が小スペース化するとともに変電所設備の屋内設置・地下設置が増加してきている。そのため設置される受変電設備の大半を占めるガス絶縁開閉装置(GIS)に対して縮小化・軽量化、および騒音や振動の低減が要求されるようになってきている。

これらGISへの要求に伴い、GISを構成する機器の中で最も寸法が大きく、動作時に大きな衝撃力を発生する機器であるガス遮断器(GCB)の小型化・軽量化と低操作力化が必要となる。

この要求に対して、現在GCBの主流である機械的にガスを圧縮してその圧縮ガスを電流アークに吹き付けて消弧させる方法(パッファ方式)をベースに種々の工夫がなされているが、この方法では顕著な効果を得るには原理的に限界がある。

開発者等は、この機械的ガス圧縮機構の全くない新しい消弧方法の開発に成功し、著しく低操作力で小型・軽量のGCBを実用化した。

従来、GCBは機械的に圧縮したSF6ガスを電流アークに吹き付けて遮断するパッファ方式が一般的であった。この遮断方式では、ガスを圧縮するための大きな操作力とともに、ガスを圧縮する空間および圧縮ガスを吹き出すための大きな空間が必要であり、GCBの低操作力化・小型化には限界があった。GCBの小型化・低操作力化を目的に、遮断時に発生するアーク熱を利用してガスを膨張させ、その昇圧力でアークにガスを吹き付けて消弧させる熱パッファ方式が盛んに研究されているが、小電流域では十分なガスの昇圧力が得られず満足な遮断性能を達成できない難点がある。このため、永久磁石や小パッファによるガスの吹き付けを併用して小電流の遮断性能を確保することが試みられているが、まだ国内では、24KV/36KVクラス以上のGCBについて実用化には至っていない。

開発者等は、大電流遮断においては熱パッファ効果を、一方小電流遮断においてはコイルによってアークを高速磁気回転駆動して相対的にガスを吹き付ける効果を、合理的に融合して新しい消弧方法の開発に成功し、機械的な圧縮機構の全くない24KV/36KVクラスのGCBを実用化した。さらに、近距離線路故障(SLF)という過酷な責務が課せられる72KV/84KVクラスのGCBについても、材料を含めた昇圧室の構造の工夫による強力な熱パッファ力と、コイルへのアークの転流と回転路の工夫による高速アーク回転力を確保し、同クラスでは国内初、世界的にも稀な、機械的圧縮機構のないGCBの実用化に成功し、大幅な小型化・低操作力化を達成した。

この新しい消弧方法は、業界の将来技術の一つの方向を示したものとしても意義深い。

電気学会は、この成果を称えて、金万直弘氏、小嶋統氏(日新電機㈱)に、1997年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。


文献

[1] 金万直弘、小嶋統、石井博美、24/36KV級コイル駆動による熱パッファ形消弧室の遮断特性、1993年、平成5年4月 電気学会B部門誌

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