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世界初275kV屋外気中絶縁変電所への光CT故障点標定装置の開発・実用化

500KV、275KV変電所(基幹変電所)は電力系統の拠点となる重要な変電所であり、万一、母線故障が発生した場合には母線保護継電装置により故障母線は電力系統から切り離されるが、故障母線に接続された健全回線も停止するため、電力系統に与える影響が極めて大きい。このため、早期に故障個所を特定し健全回線を復旧する必要があるが、気中絶縁変電所では、故障に伴う物理現象を直接検出し故障個所を特定することが困難であり、保守員が目視等により確認するため復旧に長時間を要していた。

そこで、気中絶縁変電所の母線で故障が発生した場合に、正確かつ瞬時に故障部位を特定できる故障点標定装置を開発し、実用化した。この装置は、軽量、コンパクトな光CTにより直接故障電流を検出するもので、光で地上部へ情報を伝送するため絶縁性能に優れ、故障時に発生するアークによるノイズにも影響を受けない。光CTからの電流情報を、母線保護継電装置と同様な電流作動方式により回線単位に演算処理するため、標定精度が高く復旧できる回線が容易に判断できる。

この装置は世界で初めて中部電力の基幹変電所に採用され、順調に運転している。

近年、コンパクトで信頼性の高いGIS変電所を多く建設しているが、主回路部分を金属容器で覆ったGISの場合、故障個所をセンサーで検出することは比較的容易であり、既に故障点標定装置を開発し、500KV変電所で実用化している。一方、基幹系統を構成する既設の気中絶縁変電所についても、電力の安定供給面から短時間で確実に故障部位が検出でき、且つ既設設備にも容易に適用できる装置の開発が必要不可欠であった。今回実用化した装置は、既設機器の改造や取替の必要がないよう、軽量コンパクトで取り付け容易な光CTを適用することにより上述の目標を達成した。

故障点標定装置の誤標定は、復旧過程で停電範囲を拡大する可能性があり、確実な検出性能が要求される。このため光CT故障点標定装置の開発に際しては、無線CTなど他の方式についても試作すると共に、工場での過酷な試験や実フィールドでの長期に亘る検証を行い、検出の確実性・長期信頼性や保守性などについて総合的に評価し、最も優れた方式であることを確認した。この光CT故障点標定装置を、3箇所の基幹系気中絶縁変電所の275KV母線に採用した。この装置は常時監視機能により保守点検の必要もなく順調に運転を続けており、さらに1ケ所で設置工事中である。

これらの変電所で万一故障が発生した場合には、この装置からの正確な標定結果に基づき、基幹給電制御所で電力系統全体を見て最適な復旧を行うことにより、系統の早期安定化が図れるため、基幹変電所の無人化が可能となった。本装置の開発は、電力の安定供給を確保しつつ効率的な経営に大いに貢献するものである。

電気学会は、この成果を称えて、市川弥生次氏(中部電力㈱)、生田始氏(㈱高岳製作所)、勝川裕幸氏(日本ガイシ㈱)に、1997年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。


文献

[1] 水野和宏、足立雅彦、千田善文、生田始、気中変電所用故障点標定システムの開発、1995年、平成7年8月 電気学会B部門大会

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