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国内最高時速425km/hを達成した新幹線低騒音高速試験電車(STAR21)の開発

世界の鉄道の高速化の動きには著しいものがあり、ヨーロッパにおいては、仏国鉄TGVが300km/h、独鉄道ICEが250km/h、スペイン国鉄AVEが250km/hの営業運転を行なっている。このような状況の中で、日本においては上越新幹線で275km/h、東海道・山陽新幹線で270km/hの状態である。一方、主要都市間の輸送需要は好調に推移し、新幹線鉄道は国内の大動脈として益々その重要度合いを強めており、高速化のニーズは大きいものがある。高速新幹線車両の開発は急務であり、特に日本は人口稠密な路線状況から環境(騒音・振動)に優しく、高速走行安定性能を有した鉄道が望ましい。

新幹線の高速走行技術は、東海道新幹線の開業以来の30年間、210~240km/hの速度域に止まり、その技術は停滞していた。270~275km/h運転はその延長線上の技術で対応できるものの、300km/h超は根本的な技術開発を必要とし、あらゆる構成部品を抜本的に見直す必要がある。JR東日本では、1991年から低騒音化、軽量化、高速化などの要素技術の開発から計画を実行し、1992年に350km/hで安定した走行性能を有する本格的な試験車両を製作し、300km/h域での未知で未開発な問題点の把握並びに解決を行なうこととした。

当該開発車両の主回路はPWMコンバータ・VVVFインバータ制御方式とし、誘導電動機は車両用として初めて1kw/1kgを実現した。このような徹底した軽量化の積み重ねにより車両重量は従来の半分を達成し、従来の東北・上越新幹線に比較して重量当たり2~3倍の出力が得られている。

高速走行試験では、400km/h域の走行を5回実施し、国内鉄道最高425km/hの記録(世界第2位、動力分散方式車両では世界最高速度)を達成している。併せて一連の走行試験の中で、PWMコンバータの力率1制御を高速走行域で実現し、従来速度の限界と見られていた、350km/hを超す高速走行域での増粘着・再粘着制御による高粘着の実現並びに各種の貴重なデータが得られている。

開発者らは、開発実施責任者、設計者として開発計画の作成、基本仕様の決定、詳細仕様の検討や走行試験の評価等、全体を把握しながら中心となって開発を進めた。

電気学会は、この成果を称えて、沼野稔夫氏(東日本鉄道㈱、岸本康治氏(㈱日立製作所)、青山育也氏(㈱東芝)、前川義雄氏(三菱電機㈱)に、1995年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。


文献

[1] 沼野稔夫、仲津英治、木俣政孝、次世代新幹線への取組、1994年、1994年6月 電気学会誌 VOL.114-D

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