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出力10kJパルス炭酸ガスレーザの開発

炭酸ガスレーザ烈光Ⅷ号

図1 炭酸ガスレーザ烈光Ⅷ号

烈光Ⅷ号の増幅段配置

図2 烈光Ⅷ号の増幅段配置

高出力パルス炭酸ガスレーザはアメリカではロスアラモス研究所が中心となって開発をすすめ、出力10kJのHeliosが完成していた。また出力40kJのAntaresを建設中であった。

我が国では大阪大学が中心となり、出力10kJ炭酸ガスレーザシステムを完成した。これは当時世界最高出力のレーザであり、基礎となる高電圧・放電技術、赤外用工学素子、レーザ動特性の物理の解明等必要なデータの集積、未踏の技術開発を独自に行ってきた。これにより世界のトップレベルの国産技術が定着した。

主な研究開発項目を列挙すると、①電子ビーム制御放電技術の開発と、この技術を用いて容積27×27×200cmで2気圧のレーザガスに、きわめて高い均一性を持つレーザポンピングを与えた。②このための高電圧(600kV)、大電流(80kA)、高速立ち上がり(0.2μs)の矩形波パルス電源(パルス幅3μs)を絶縁油中のマルクス方式パルス成形回路で実現した。③非線形性の極めて強い吸収素子と増幅素子を組み合わせて高利得安定レーザ動特性を、理論・実験より解明しパラスチック発振を防止した。④光ファイバ制御系により高電圧機器の動作にCPUを導入した。⑤10μm用赤外光学素子、機器の開発等新技術の定着化を実施した。

これらの新技術は、広くガスレーザ、パルスパワー技術等に有効な波及効果を与えており、レーザ技術のパイオニアとして高く評価されるものであった。

電気学会は、この成果を称えて、山中千代衛氏(大阪大学)、中井貞雄氏(大阪大学)、鈴木泰雄氏(日新電機)に、1983年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。


文献

[1] 的場幹史、藤田尚徳、中井貞雄、山中千代衛、核融合研究用高出力炭酸ガスレーザーシステム烈光Ⅰ号の開発研究、1982年、電気学会論文誌、昭和57年1月号(Vol.102-C, No.1, 1)
[2] 井上満夫、藤田尚徳、的場幹史、中井貞雄、山中千代衛、炭酸ガスレーザーの大容量増幅器における寄生発振の抑制、1982年、電気学会論文誌、昭和57年11月号(Vol.102-C, No.11, 261)
[3] S. Nakai, H, Daido, H. Fujita, M. Inoue, K. Mima, H. Nishimura, T. Sasaki, S. Kawai, K. Terai, and C. Yamanaka、Preheating Suppression for High Density Compression by CO2 Laser、1982年、IAEA 10th Int. Conf. on Plasma Physics and Controlled Nuclear Fusion Research, IAEA-CN-44/B-II-4

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レーザー、核融合、電子ビーム制御放電、寄生発振、ペレット爆縮、パルス高電圧技術、その他(電気応用)
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