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核融合炉用超電導トロイダルコイルの開発

D型をした一つの超電導トロイダルコイル:日本のLCTコイル

写真1 D型をした一つの超電導トロイダルコイル:日本のLCTコイル

身近に使う磁界と核融合炉に利用する磁界の比較

表1 身近に使う磁界と核融合炉に利用する磁界の比較

超電導コイルのステップアップにおける本開発の位置付け

表2 超電導コイルのステップアップにおける本開発の位置付け

核融合炉の技術開発は当時世界的に新しい課題で、特に超電導コイルの開発は1975年頃まではほとんど見るべきものがなかった。1976年から国のプロジェクトとして開発設計を立案し実施に移した。特にトロイダル磁場コイルについて、大型化、高磁界化の2つの課題に対してそれぞれLCT計画、クラスター・テスト計画を進め、欧米に先んじて成果を収めた。

核融合炉用超電導コイルは、寸法、磁界、蓄積エネルギー等すべての点できわめて大規模かつ特殊なものである。当時の技術水準をはるかに越えるこの開発は、核融合炉技術の中心的な課題の一つであった。

1976年、国の開発プロジェクトの一環としてその開発計画を策定し、それに沿って開発を進めてきた。特にトロイダル磁界発生用コイルについては、実用規模、蓄積エネルギー約1000MJ、最大磁界12Tを目指して、大型化および高磁界化の2つの路線を追求してきた。前者は国際協力の一環として進められているNbTi線材、平均寸法3m×4m(D型、130MJ)の大型コイル(LCT)計画であり、1982年6月他国に先駆けて完成、目標とする電流(10kA)・磁界(8T)を達成すると共に各種性能試験に成功した。後者は2個のコイルをくさび状に配置し、その間にテスト・コイルをおいて試験を行うクラスター・テスト計画であった。1980年にNbTiのクラスター・コイルを完成し、1982年10月、平均直径1.1mのNb3Snテスト・コイルにおいて磁界10Tを達成した。

電気学会は、この成果を称えて、島本進氏(日本原子力研究所)、安河内昂氏(日本大学)、斎藤竜生氏(日立製作所)、市川隼男氏(東京芝浦電気)、佐藤隆氏(三菱電機)に、1983年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。


文献

[1] 島本 進、安河内昂、LCT計画の概要、1984年、低温工学19巻(1984) 73-80
[2] 島本 進、奥野 清、LCT計画による大型超電導トロイダル・コイルの実験、1988年、日本原子力学会誌 30巻(1988) 488-496
[3] 島本 進、核融合用超電導マグネットの25年、2002年、低温工学 37巻(2002) 180-189
[4] S.Shimamoto et al.、Domestic Test Result of the Japanese LCT coil、1983年、IEEE Transactions of Magnetics, MAG-19 (1983), 851-858
[5] H.Tsuji, S.Shimamoto et al、Experimental results of domestic testing of the pool-boiling cooled Japanese and the forced-flow cooled Euratom LCT coils、1985年、Cryogenics 25 (1985), 539-551

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