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地熱エネルギーの電力変換における新方式の開発実証

運転中の八丁原地熱発電所・全景 55MWx2基

図1 運転中の八丁原地熱発電所・全景 55MWx2基

運転中のフィリピン・マクバーン地熱発電所・全景 55MWx6基

図2 運転中のフィリピン・マクバーン地熱発電所・全景 55MWx6基

地熱資源には、過熱蒸気形と熱水形があるが、当時開発予定の地熱地帯のほとんどが熱水形であった。従来の熱水形発電はシングルフラッシュ方式であり、蒸気とともに噴出する大量の熱水は発電には利用せず還元井に廃棄していた。九州電力八丁原発電所では熱水のエネルギーも発電に利用するダブルフラッシュ方式の他、画期的な新技術が適用されており国内外の注目を集めた。

開発者らは、八丁原発電所の開発に当たりエネルギー変換効率の向上を主眼として、世界初の試みであるダブルフラッシュ等以下の新方式を適用し、これを成功させた。
(1)ダブルフラッシュ方式
 地下から噴出する流体は蒸気と熱水の混合物であるが、従来は蒸気のみを分離して発電に使用していた。本方式では熱水を減圧フラッシュして発生する蒸気も併用するので発電出力が約20%増加する。
(2)二相流体輸送方式
 蒸気と熱水の混合流体(二相流体)を同一パイプに流す方式で配管系統や付属設備の集中化、単純化が可能である。本方式の安全性を確認するため、事前に大規模な現地試験も実施した。
(3)その他
 コンクリート式復水器、電動ブロワ式ガス抽出装置などを採用し設計を合理化した。

八丁原発電所は1980年4月最大出力55MWとなり1981年度も引き続き安定した運転を続けた。利用率約90%、稼働率95%以上と優れた運転実績であった。

電気学会は、この成果を称えて、吉田勝亮氏(九州電力)、相川賢太郎氏(三菱重工業)に、1982年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。


文献

[1] 吉田勝亮、相川賢太郎、八丁原発電所におけるダブルフラッシュサイクル地熱発電の開発、1980年、「火力原子力発電」誌 Sept・1980:Vol.31・No.9
[2] 吉田勝亮、相川賢太郎、曽田正浩、八丁原発電所における汽水混合輸送システムの開発、1980年、「地熱」誌 Mar・1980:Vol.17・No.1
[3] 相川賢太郎、曽田正浩、地熱発電に関する最近の技術(八丁原地熱発電所の設計を中心として)、1974年、三菱重工技報 1974-7:Vol.11:N o.4
[4] K. Aikawa, M. Soda、Advanced design in Hatchobaru geothermal power station、1975年、“Geothermics”: Proceedings of the 2nd united nations symposium on the development and utilization of geothermal resources at SanFrancisco, USA, May 1975
[5] M. Soda, K. Aikawa、Experimental Study on Transient Phenomena in Steam-Water Mixtures Flowing through a large pipe line for Geothermal Power Station、1975年、“Geothermics”: Proceedings of the 2nd united nations symposium on the development and utilization of geothermal resources. at SanFrancisco, USA, M ay 1975
[6] K. Aikawa, S. Fukuda, M. Tahara、MHI’s Recent Achievements in the Field of Geothermal Power Generation、1978年、Mitubishi Heavy Industries “TECHNICAL REVIEW October 1978”

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キーワード

八丁原地熱発電所、ダブルフラッシュ式熱水型地熱発電、2相流体(汽水混合)輸送、基礎一体型コンデンサー、ラヂアルブロワー型ガス抽出機、セパレーター・フラッシャー、エネルギー新技術
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