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わが国400kV級送電線設計に関する試験研究設備としての600kV塩原試験所の完成

試験送電線のコロナ放電状況

図1 試験送電線のコロナ放電状況

10,000kV衝撃電圧発生装置

図2 10,000kV衝撃電圧発生装置

概要
(1) 背景
 ① わが国の最高送電電圧は、1952年の新北陸幹線の運用開始以降275kVであったが、高度成長に伴う電力需要の増大に対応するため、1960年代後半には380~440kV級送電が必要になると予見されていた。

 ② 次期送電電圧に対応する送電線路の技術的問題を解明するため、電力中央研究所は1956年、「600kV塩原実験場」を栃木県塩谷郡塩原町(当時)に建設した。

    建設費(約3億円)は9電力会社と電源開発(株)が拠出した。
(2)主要設備(対応する送電電圧は380~600kV)
 ① 試験送電線:

    亘長: 1,400m、3相2回線、鉄塔5基

    線種: 330mm2 ACSR 4導体、1回線

           240mm2 ACSR 4導体、1回線

 ② 課電用変圧器:対地350kV,1,500kVA、3台

   3相電圧調整器、補償リアクトル

 ③ 1,000万ボルト衝撃電圧発生装置

 ④ 測定装置

  a, コロナ雑音測定器
   ・測定地点:第一スパン中央、各回線の下相電線直下
   ・測定周波数:ラジオ周波帯
   ・測定値:コロナ雑音の準尖頭値(QP)、実効値(rms)
   ・測定時間間隔:通常3分
  b, コロナ損測定器

    ファラデーケージに設置して高圧側で測定

  c、 気象条件測定器

    気温、気圧、相対湿度、風速、日照量 etc

  d, データロガー

    対地電圧、充電電流、コロナ雑音、気象条件等の測定データをさん穴テープに自動記録、作表

電気学会は、この成果を称えて、上之園親佐氏、中村宏氏、有働龍夫氏、川合幹雄氏、青勇氏、沢田嘉嗣氏に、1962年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。


文献

[1] 中村 宏、試験用送電線のコロナ雑音特性に対する理論的研究、1956年、電気試験所彙報 第20巻 第5号  昭和31年5月
[2] 中村 宏、電気事業におけるデータ処理技術、1962年、エレクトロニクス(オーム社刊)  昭和37年1月号
[3] 有働 龍夫、長波尾衝撃電圧による気中ギャップおよびがいし連のフラッシュオーバー特性、1963年、電気学会雑誌 Vol.83-9, No.900 pp. 1584-1589
[4] T. Udo、Spark over Characteristics of Large Gap Spacers and Long Insulator Strings、1964年、IEEE Trans. on Power Apparatus and Systems, Vol.83, May 1964. pp471-483 (USA)

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超々高圧送電線、コロナ雑音、コロナ損、気中絶縁、季節風観測、汚損がいしの自然霧中耐圧、送電
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