1. HOME
  2. 電気・情報関連(専門)
  3. 研究情報(登録番号1182)

送電線故障点指示装置の開発

 架空送電線の事故の大部分はアークによる接地または短絡であって、故障回線が遮断器によって自動遮断された後は、故障点は相当な絶縁耐力を回復する場合が大部分であるので、故障点標定器(送電線故障点指示装置)は通信ケーブル、またはケーブル線路と異なって下記の性能を持つことが必要である。
(1) 故障回線が遮断されないうち(故障発生後0.05~2秒以内)に標定して故障点を記録すること、
(2) 故障アークによって発生する高周波雑音の妨害を受けないこと、
(3) 特別高圧の送電線路との間で信号の伝送を行うための結合装置が必要である。
 一方、故障発生瞬時に、故障点で発生するサージ電圧が大きいから、人口パルスのほかに故障サージ自体を時間信号として使用する方式も適用できる。

 送電線故障点指示装置の研究は、わが国では1950年に始まり、7機関において数種類の方式が平行して研究・開発・試作された。1951~53年の間に、実線路を使った人工故障試験が全国数箇所で行われた。51年には、試作した故障点標定器が、営業送電中の線路において送電線の雷事故の標定に成功する実績を得た。(注:1962年末には約80台が実用化されるにいたった。)開発者らはこのようなわが国における送電線故障点指示装置の開発を常に先導した。

 電気学会は、この成果を称えて、広瀬胖氏、後藤盛一氏、有働龍夫氏に、1954年、電気学会振興賞(進歩賞)を贈呈した。


文献

[1] 富山順二、藤高周平ほか開発者らを含めて20名、特集論文:閃絡点標定器の一般的問題ほか9編、1953年、電気学会誌73巻773号pp.120-144、(続き)73巻774号pp.226-242
[2] 広瀬胖、有働龍夫、後藤盛一、架空送電線故障点標定器、1952年、オーム39巻p.325(1952)
[3] 有働龍夫、川合幹雄、電力線故障点指示装置に対する雑音電圧、1955年、電気学会誌75巻pp.567-575(昭和30年6月)
[4] J. Tomiyama, S. Fujitaka, S. Saba、Investigation and Practical Experiences of Transmission Line Fault Locators in Japan、1954年、CIGRE 1954 Paper #308
[5] T. Udo, K. Kawai、Fault Generated Impulse Noise Voltage in a Transmission Line、1967年、IEEE Transactions on PAS, Vol.PAS-86, No.6, June 1967, pp.678-684
[6] T. Udo、The Attenuation and Distortion of Short-tail Travelling Waves on Overhead Transmission Lines、1965年、IEEE Transactions on PAS, Vol.PAS-85, No.4, April 1965, pp.310-314

関連する研究を検索

分野のカテゴリ

電気・電力
(電力輸送)

関連する出来事

データなし

世の中の出来事

1954
第5福竜丸がアメリカによる水爆実験で被災する。
1954
自衛隊が発足する。

Webページ

データなし

博物館等収蔵品

データなし

キーワード

架空送電線、故障点標定、故障アーク、反射特性、故障サージ、雑音電圧、送電
Page Top