1. HOME
  2. 電気・情報関連(専門)
  3. 研究情報(登録番号1062)

同軸PCM-400M伝送方式の実用化

 PCM伝送方式は、当初短距離における電話の経済的な伝送手段として採用され、数多くのPCM伝送方式が既に実用に供されている。その後、ディジタル方式の持つ柔軟性が着目され、各種新サービス情報の伝送やディジタル統合網の構築に備え、大容量、且つ、経済的な長距離ディジタル伝送方式の開発が強く要望されていた。

 同軸PCM-400M伝送方式は、このような要請にこたえるべく、標準同軸ケーブルを用い約400Mbit/sのベースバンドパルスを中継伝送するもので、1システム当り電話5,760回線を伝送する世界に先駆けた大容量・長距離ディジタル伝送方式である。

 本方式の研究実用化は、約5年の歳月と電電公社およびメーカーの関係者多数の協力により達成されたものであるが、なかでも井上伸雄氏、河西宏之氏、大蔵恭仁夫氏は、本方式の研究実用化の各段階においてグループの中心となって、幾多の困難な課題を克服し、その完成に尽力した。

 本方式の研究実用化は、1972年(昭和47年)に開始され、1974年には方式の実現性を確認するため、大阪-神戸間で現場試験を実施し、符号誤りやジッタ累積特性、障害中継器の高精度遠隔探索機能、中継器のサージ耐力などの諸問題を解明し、商用化への見通しを得た。これを基盤として、大阪-神戸、神戸-姫路間に商用回線を設定し、1977年1月にはサービスを開始、以来、順調な稼動を続けている。

 本方式の実現には、(1)ベースバンドパルスに対する高精度波形等化技術の確立と各種劣化要因を考慮した同軸ディジタル伝送系設計法の確立、(2)スクランブラの導入と端局中継装置における速度変換の採用による多中継ジッタ軽減法の確立、(3)障害中継器の高精度遠隔探索を可能とする新しい測定法の開発、(4)超高速半導体素子、薄膜混成集積回路などの小形、高信頼度部品の開発、および(5)C-60M中継器との共存が可能な同軸きょう体と高周波コネクタの開発等が大きく寄与している。

 以上のように、本方式の実用化は将来の全国規模のディジタル網形成の基盤を与えたほか、我が国のこの分野の水準を更に高め、その成果は同軸方式に限らず光ファイバ方式など将来に広く寄与するものである。

 この技術に対して、電子通信学会は、1979年、井上伸雄氏、河西宏之氏、大蔵恭仁夫氏に業績賞を贈った。

関連する研究を検索

分野のカテゴリ

通信
(通信に係わる技術)

関連する出来事

データなし

世の中の出来事

1979
国公立大学の共通1次試験が始まる。
1979
インベーダーゲームがブームとなる。

Webページ

データなし

博物館等収蔵品

データなし

キーワード

PCM伝送方式、同軸PCM-400M伝送方式、通信方式
Page Top