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超小型無線ICタグ技術の開発と実用化

 近年、半導体製造技術の進歩は著しく、半導体デバイスの小型化、高機能化の開発が推進されている。この中で、小型デバイスの開発技術は、通信分野や情報機器分野への応用展開が試みられ、ユビキタス情報社会での基盤技術と期待されている。

 宇佐美光雄氏は、1990年代後半から、超小型無線ICタグチップ(ミューチップ)の開発に従事し、その成果として、世界最小チップサイズ(0.4ミリ角)の無線ICタグ技術の開発に成功し、2005年3月から開催されている名古屋「愛・地球博」において、入場券への実装が行われ、無線ICタグの技術革新と応用展開に貢献した。

 無線ICタグには機械的強度や低価格、高信頼性などが要求されるが、同氏は、機械的にぜい弱なICチップが0.5ミリ角以下のサイズで優れた強度向上をもたらすことを初めて見いだした。このために、プロセスの微細化のみに頼らず、チップを根本から小型化する以下のアイデアを実現し、超小型無線IDタグチップを実用化した。

 ①認識番号や商品情報を記憶する従来の書込み可能なROM機能を配線型ROMで代行し、メモリセルの小型化と書込み回路を不要にした。
 ②ROM容量をIPv6と同じサイズの128ビットと小規模化した。
 ③コマンド制御を不要とする簡潔な通信プロトコルを導入して、論理回路規模を縮小し、かつ整流用平滑容量を80pFと小さくした。
 ④超小型チップ化に伴う実装の困難性を解消し同時に低価格化するために、アンテナ群とチップ群をバッチ接続して組み立て可能な両面電極チップ構造を発明した。

 また、
 ⑤このチップ構造を基に、信頼性にも優れるガラス封止技術を開発し、自動車搭載などへの応用範囲を広げた。

 更に、
 ⑥紙幣の偽造防止などのなめにチップ上に0.4ミリ角という世界最小のアンテナを搭載する技術開発にも成功した。

 製品発表後、本技術に対する反響は多大であり、特に、愛・地球博入場券システム、鋼材自動認識管理システム、農産物の生産記録システムへの採用が決定し、これを契機に超小型無線ICタグの本格的実用化が活発化してきている。

 以上のように、同氏はユビキタス情報社会をけん引する社会的貢献を行った。

 本研究の成果に対して、電子情報通信学会は、2005年、宇佐美光雄に電子情報通信学会業績賞を贈った。

文献

[1] M. Usami, A. Sato, K. Sameshima, K. Watanabe, H. Yoshigi, and R. Imura、Powder LSI: An Ultra Small RF Identification Chip for Individual Recognition Applications、2003年、ISSCC Digest of Technical Papers, pp.398-399
[2] M. Usami, A. Sato, H. Tanabe, T. Iwamatsu, S. Maegawa, and Y. Ohji、An SOI-Based 7.5μm-Thick 0.15x0.15mm*mm RFID Chip、2006年、ISSCC Digest of Technical Papers, pp.308-309
[3] M. Usami, H. Tanabe, A. Sato, I. Sakama, Y. Maki, T. Iwamatsu, T. Ipposhi, and Y. Inoue、A 0.05x0.05mm*mm RFID Chip with Easily Scaled-Down ID-Memory、2007年、ISSCC Digest of Technical Papers, pp.482-483

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