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光CDMAネットワークの先駆的研究

 近年のブロードバンドサービスの普及には、フォトニックネットワークが大きな役割を果たしており、ワイヤレスアクセスネットワークにおいても、ワイヤレス信号をその方式を問わず光アナログ・ディジタル信号としてフォトニックネットワークにシームレスに取り込む光ファイバ無線(RoF:Radio on Fiber)と呼ばれる技術に期待が寄せられている。

 フォトニックネットワークの次世代の姿を考えるとき、ネットワークのコアからアクセスを一気に通してエンドユーザへのサービスの光多重が行え、かつ一つの波長に複数のチャネルを多重するという潜在能力を持つ光符号分割多重(OCDM)は、時間分割多重(TDM)、波長分割多重(WDM)に次ぐ第3の多重方式として期待されている。この技術は、1980年代中ごろに研究が活発化する兆しが見えたものの、実現技術の困難さからその後の進展が途絶えていた。北山研一氏、塚本勝俊氏らは1990年代中ごろより光符号分割多重に関する研究を開始し、幾多の課題を克服し実現の可能性を実証するとともに、光符号ラベルを用いたフォトニックネットワーキング、光符号分割多元アクセス(OCDMA)、光電波融合通信などの応用分野の開拓を先導し、現在の研究開発の再活性化に大きく貢献してきた。

 北山研一氏は、フォトニックネットワークを転送されるパケットやバーストなどのデータフローの識別情報を光符号ラベルにマッピングし、ルーチングを行う方法を発明し、その実証を行った。光符号ラベルは光領域で超高速に処理できることが特徴であり、電気的なルータの処理能力不足に起因するボトルネックの解消の切り札として、国内外で大きな注目を集めている。また、10Gbit/s級の光符号分割多重伝送を世界に先駆けて実現し、ごく最近では511チップという世界最長の光符号・復号を用いて、OFC2005(Anaheim,2005年3月)のPost-deadline paperにおいて完全非同期10ユーザ多重というマイルストーンを達成し、次世代ブロードバンドアクセスの先鞭をつけるに至り、文字どおり本分野における世界のリーダーとして活躍している。

 塚本勝俊氏は、マイクロ波・ミリ波無線通信技術と光通信技術を融合したRadio on Fiber(RoF)無線通信システムにおいて光CDMAの電波に対するはん用性に注目し、種々の形式の異なる電波の転送・ルーチングを光ファイバネットワーク内で行う光CDMA仮想電波空間ネットワークという新しい概念を作り、その実現を目指した研究を行った。その中では、光スイッチによる帯域自然標本化を用いた電波信号の光領域拡散方式、バイポーラ符号を適用可能とする光強度極性反転相関器、カオス符号拡散など、転送される電波の信号品質改善を高める様々な提案と実証実験を行った。そしてそれらの成果により光CDMA技術を中核とした光融合通信ネットワークの基礎理論を構築し、本技術をけん引してきた。

 以上のように両氏の光CDMAネットワークの先駆的な研究・開発とその成果は、次世代超高速・大容量フォトニックネットワーク、光符号分割多重アクセスネットワーク、光電波融合通信ネットワークなどの分野の進歩に貢献をしており、学問分野への寄与も大きい。

 この技術に対して、電子情報通信学会は、2005年、北山研一氏、塚本勝俊氏に業績賞を贈った。

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