1. HOME
  2. 電気・情報関連(専門)
  3. 研究情報(登録番号1046)

4Kディジタルシネマの提唱と開発

 光通信技術の急速な進展により、非常に広帯域なブロードバンドネットワークが実現され、IT技術が社会に対して新しい変革をもたらそうとしている。特に、従来の放送の概念では考えられないような高品質かつ大容量な映像コンテンツのネットワーク流通も可能となり、よりリアルで高品質な映像情報がブロードバンドネットワークを介してユーザまで直接流入する時代に突入しつつある。

 このようなブロードバンド時代の到来に先駆け、青山友紀氏、小野定康氏、藤井哲郎氏は、より臨場感のある高品質なマルチメディア通信を実現すべく、走査線数2,000本級の非常に高精細な画像をオールディジタル処理技術で扱う超高精細画像のコンセプトを1989年に提唱しその開発を進めてきた。既に、医療・教育・印刷・美術・博物学・CAD分野へとアプリケーション開拓を展開し、超高精細液晶画像システムを実用化し、その普及に努めてきた。更に、コンテンツの王様である映画をターゲットに、世界初の走査線数2,000本級の800万(4K×2K)画素超高精細ディジタルシネマ配信システムを開発し、35mm映画フィルム(オリジナルネガ)の品質をディジタル映像技術により完全に実現した。これにより、35mm映画フィルムの有する情報をすべてディジタル化し、300インチを超える大スクリーンでの高品質ディジタル上映が可能となった。しかも、符号化方式としてJPEG2000を採用した伝送システムを開発し、450Mbit/sでの高速IPストリーム配信を実現した。既に、2時間に及ぶハリウッド映画の商用ネットワークを用いた配信・ディジタル上映にも成功している。これにより、ネットワークを利用したアプリケーションにコンテンツの王様である映画を完全に取り込むことに成功した。

 世界的な映画の中心であるハリウッド・7大スタジオ映画技術陣に対して、三氏が開発した超高精細ディジタルシネマ配信システムの提案を2002年に行った。映画スクリーンを用いた画像評価実験の結果、ハリウッド技術陣より三氏のシステムが賞賛され、世界標準ディジタルシネマ仕様への導入が打ち出された。ハリウッド映画技術陣は画面の水平方向の解像度を用いてディジタルシネマの解像度を表現するため、受賞者の方式を「4Kディジタルシネマ」と呼んでいる。現在、従来の35mmアナログ映画フィルムを置き換えるディジタルシネマの全世界標準仕様策定がハリウッド・7大スタジオの連合体であるDCI(Digital Cinema Initiative, LLC)で進められており、この中に三氏が提唱した超高精細画像技術の仕様である走査線数2,000本が採用された。

 なお、三氏らはNPOディジタルシネマ・コンソーシアム(DCCJ:Digital Cinema Consortium of Japan)を設立し、日本発の先端技術をベースに映画業界を巻き込み、全世界に向けた普及活動も展開している。2003年には、EDCF(European Digital Cinema Forum)を中心にヨーロッパへの普及活動を行っている。

 以上のように、三氏は超高精細映像技術の先駆的研究開発に取り組み、4Kディジタルシネマ配信システムを開発し、コンテンツの王様である映画をブロードバンド時代のキラーアプリケーションに取り込んだ。

 この技術に対して、電子情報通信学会は、2004年、青山友紀氏、小野定康氏、藤井哲郎氏に業績賞を贈った。

関連する研究を検索

分野のカテゴリ

通信
(その他(通信))
通信
(情報システム)

関連する出来事

データなし

世の中の出来事

2004
スマトラ沖で地震(M9.0)が発生し、死者・行方不明者数が30万人以上に上る。

Webページ

データなし

博物館等収蔵品

データなし

キーワード

走査線2000本、800万画素、超高精細ディジタルシネマ配信システム、その他(通信一般)、画像工学、情報ネットワーク
Page Top