1. HOME
  2. 電気・情報関連(専門)
  3. 研究情報(登録番号1036)

ディジタル映像符号化MPEG-4国際標準方式の実現

 情報通信システムにおいて、豊なマルチメディア通信の実現には、高能率かつ柔軟性のある映像符号化方式が不可欠となっています。

 浅井光太郎氏、栄藤稔氏、中屋雄一郎氏はそれぞれ画像符号化の研究開発を行い、その成果を基に映像符号化方式の提案を行って、国際標準方式MPEG-4の実現に貢献しました。同方式は64kbit/s程度の低ビットレートにおいても良好な画質を実現し、オブジェクト単位の符号化を可能とするなど、性能と機能を兼ね備えた方式です。

 浅井光太郎氏は映像符号化に関し、ベクトル量子化や変換を用いた動き補償フレーム間符号化方式、動き補償ベクトルに連動する適応フィルタ、変動する動画像の符号化情報量をバッファによって効率良く制御する手法など、低ビットレートにおいて符号化効率を高める技術について研究を行いました。これらの研究を基に、MPEG-1、MPEG-2への提案に続いて、1995年MPEG-4標準に時刻の異なる複数フレームを参照する動き補償予測、分割したブロックに対する動き補償予測などを提案し、MPEG-4映像符号化方式の符号化性能と機能を実現する枠組み構築に貢献しました。MPEG-4国内委員会の幹事として、日本からの提案活動牽引も行っています。

 栄藤稔氏はコンピュータビジョン研究から出発し、入力画像からオブジェクトを抽出して表現する方式や動画像の中からコヒーレントな特徴を持つ領域を抽出する方式の研究、幾何的な拘束条件下における動き補償予測手法などの研究を行いました。これらコンピュータビジョン技術を動画像符号化に応用する様々な手法の研究を基に、オブジェクト単位の符号化を可能とする枠組みをMPEG-4標準に提案しました。MPEG-4が採用したオブジェクト単位の符号化は、オブジェクトの再利用や対話的な映像アプリケーションなどの高機能な映像利用を可能とするものです。1993~1996年には、MPEG-4国内委員会の幹事として、日本からの提案活動牽引も行いました。

 中屋雄一郎氏は超低ビットレート条件における人物映像の伝送を可能とする分析合成符号化、幾何学変換に基づく動き補償予測について研究を行い、画像の構造を表すパラメータとテクスチャの符号化、三角パッチによる領域分割、分析合成および波形符号化に適用可能なWarping予測など、符号化効率を高める様々な方式を提案しました。これらの研究を基に、演算を抑制した幾何学変換を用いるグローバル動き補償予測方式、低ビットレートにおける動き補償予測の誤差蓄積軽減方式などをMPEG-4標準に提案し、MEPG-4の符号化性能向上に貢献しました。また、MPEG-4映像部分のプロジェクトエディタの一人として、国際的にも高く評価されています。

 ディジタル映像符号化MPEG-4国際標準方式は、第3世代携帯電話における画像伝送やインターネット上のビデオストリーミングなどに適用されているほか、ビデオカメラやレコーダなどの機器にも広がりつつあります。同方式は圧縮率追求や多視点映像の符号化など、次の段階の開発に指標を与える参照方式ともなっています。

 以上のように、三氏は画像符号化に関する個々の研究開発成果に基づき、ディジタル映像符号化の国際標準方式MPEG-4実現に貢献しました。同方式の実現は標準方式の制定にとどまらず、マルチメディア情報の流通に大きな影響を与えつつあり、社会的にも重要な役割を果たしています。

 この技術に対して、電子情報通信学会は、2002年、浅井光太郎氏、栄藤稔氏、中屋雄一郎氏に業績賞を贈りました。

関連する研究を検索

分野のカテゴリ

情報処理
(情報処理理論)

関連する出来事

データなし

世の中の出来事

2002
日韓で第17回サッカーワールドカップが開催される。
2002
欧州単一通貨「ユーロ」が12カ国で流通開始する。

Webページ

データなし

博物館等収蔵品

データなし

キーワード

MPEG-4、画像処理
Page Top