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IMT-2000システムの実用化

 パソコン、携帯電話、インターネットなどの急激な普及に伴い、モバイル環境においても本格的マルチメディアサービスに対するニーズが高まっている。音声・データ・動画像などの多彩なコンテンツを総合的に扱うためには、これらのコンテンツをモバイル環境で自在に扱うことを可能にする端末技術とグローバルでボーダレスな通信を前提にしたネットワーク技術が必要である。西暦2000年ごろのサービスを目指すこと、使用周波数帯が2000MHz帯であることからIMT-2000(International Mobile Telecommunications-2000)という統一名称で呼ばれている第3世代移動通信方式に位置付けられるこのシステムは、1980年代半ばよりITU(International Telecommunication Union)の傘下で、第2世代移動通信方式では成し得なかった本格的なモバイルマルチメディアや全世界的な国際ローミングの実現を目標として標準化が進められ、各国で実用化に向けた開発が始まった。そして、我が国が世界に先駆けて、2001年5月にIMT-2000システムによる試験サービスを、2001年10月からは本格商用サービスを開始するに至った。

 尾上誠蔵氏、山本浩治氏、村瀬淳氏は、このIMT-2000システムの国際標準に向け、先導的に研究開発を行った。その成果により、日本提案の技術を中心としたITUにおける世界標準化に著しい貢献をした。特に3GPP(3rdGeneration Partnership Project)における詳細に技術仕様の早期開発に貢献し、その結果、日本提案の技術を中心とした標準仕様の確定がなされ、世界に先駆けてIMT-2000システムの実用化に成功した。

 本システムは、無線方式、コアネットワーク、端末の各先端技術を結集して開発、実用化したものである。下り384kbit/sの高速パケット通信と大容量データのリアルタイム通信に適した64kbit/sデータ通信が可能であり、映像をはじめとする非音声系サービスを高品質に提供できる。本システムの実用化により本格的なモバイルマルチメディアが可能なアクセス方式が実現され、我が国の移動通信サービスに革新をもたらした。個別の開発においては、無線アクセス方式として国際標準に採用されたW-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)を適用し、無線区間での大幅な高速大容量化を実現した。また、GSM(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)をベースにした国際展開に有利なコアネットワークを実現し、回線交換・パケット交換を結合してATM(Asynchronous Transfer Mode)技術を採用することにより、多様なメディア、品質要求への対応を可能にした。更に、動画像伝送を可能にする高機能な移動端末を開発、実現した。これらの開発により世界に先駆けて開始した商用サービスFOMA(Freedom Of Mobile multimedia Access)は、我が国の電気通信産業界の先導的役割を担っており、今後の有力な移動通信サービスとなるであろう。

 以上のように、三氏らが国内外の標準化に多大な寄与をするとともに実用化したIMT-2000システムは、第3世代移動通信方式として技術的革新性と先進性に極めて優れたシステムである。

 この技術に対して、電子情報通信学会は、2002年、尾上誠蔵氏、山本浩治氏、村瀬淳氏に業績賞を贈った。

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携帯電話、第3世代移動通信方式、IMT-2000システム、W-CDMA、無線通信システム
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