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全光処理による超高速光伝送方式の先駆的研究

 本格的なマルチメディア社会では、音声、データ、映像などのさまざまな情報をいつでも、どこでも、だれとでも通信ネットワークを介して容易に送受信できることが強く求められている。その実現にはテラビット級の超高速・大容量光伝送技術の確立など、新たなブレークスルーが不可欠なものとなっている。

 現在実用化されている光伝送方式は、いずれも電気処理がベースとなっており、その動作速度の限界がボトルネックとなって数十Gbit/s以上の高速化は困難とされていた。この限界を打破するためには、光処理をベースとする超高速の信号処理技術の研究開発が必要であった。

 猿渡正俊氏、川西悟基氏、盛岡敏夫氏らは光非線形現象の超高速性にいち早く着目して1980年代後半よりその特徴を生かした全光処理による光時分割多重(光TDM)伝送方式を提唱し、その実現に向けて幅広く要素技術の研究開発を進めてきた。主な成果として、(1)可変波長のピコ秒モード同期エルビウムファイバ(ML-EDF)レーザ、(2)サブピコ秒スーパコンティニュアム光パルス光源、(3)半導体レーザ増幅器(LDA)を光相関検出系に用いた位相同期ループ回路(PLL)、(4)プレーナ光波回路(PLC)を用いた全光時分割多重回路(光MUX)、(5)光非線形効果(光カー効果、4光波混合)を活用した数百Gbit/s級の全光時分割多重分離回路(光DEMUX)などの先駆的独自技術の提案とそれらの具現化が挙げられる。更に、三氏らはこれら五つの要素技術を駆使して、超高速の全光TDM伝送技術の研究開発を推進し、世界に先駆けて100Gbit/sで500kmの光TDM伝送実験に成功した。その後も精力的に研究を展開し、短期間のうちに200Gbit/sで100kmおよび400Gbit/sで100kmの光TDM伝送実験を成功させ、電気信号処理の限界を大きく凌駕する数百Gbit/sの超高速光伝送方式の実現性を初めて立証した。

 これら一連の実験結果が契機となって、国内外の超高速光伝送技術や超高速信号処理技術の研究開発が一気に加速し、実用化に向けて大きく進展することが期待されている。また、本研究は高速・広帯域バックボーンネットワークの経済化に必須の技術として、世界の注目を集めている。

 以上のように、三氏らは全光処理を用いた超高速光伝送方式に関する先駆的かつ独創的な研究を行い、光TDM伝送に必要な各種の要素技術を開拓し、数百Gbit/sの光TDM伝送実験を世界に先駆けて成功させ、国内外のテラビット級光伝送の実現に向けた研究を一気に加速する牽引役となった。

 この技術に対して、電子情報通信学会は、1996年、猿渡正俊氏、川西悟基氏、盛岡敏夫氏に業績賞を贈った。

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キーワード

全光処理、超高速光伝送方式、光通信システム
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