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パーソナルハンディホンシステムの開発

 本格的なマルチメディア時代の到来に向け、「いつでも、どこでも、だれとでも」通信したいという通信のパーソナル化への要求が急速に高まっている。

 この大きな時代の流れを受け、世界的にも無線アクセスによるパーソナル通信システムの実用化、標準化が強力に推進されつつある。

 通信のパーソナル化にあたっては、だれもが手軽に利用できる低料金でのサービス提供が前提である。しかしながら、すべての設備を既存網とは別の独自網で構成する従来の移動体通信方式では限界があり、全く新しい大容量かつ経済的な無線アクセスサービスの出現が望まれていた。

 小林忠男氏、関口英生氏、羽深龍二氏は、家庭や事業所で使用する小電力のディジタルコードレス端末を屋外等の公共的空間に持ち出して携帯電話ライクに使用するという、斬新なサービスコンセプトを提案すると共に、既存の公衆ネットワークの機能や設備を最大限に活用することによる経済的なマイクロセルシステム構成法を考案し、上記コンセプトを世界に先駆けパーソナルハンディホンシステム(PHS)として実用化した。

 本システムの実用化にあたり、無線系技術においては、従来の固定的な周波数割当方式では、基地局数が膨大となることからシステムの構築は極めて困難であり、新たな無線チャネル制御技術を開発する必要があった。このため、TDMAのスロット単位に干渉を検出し、干渉の少ないチャネルを自動的に選択する自立分散制御技術を確立すると共に、TDMA/TDD技術による基地局のみでのダイバーシチ送受信を可能とした簡易かつ小型の無線基地局装置を実現し、これらにより信号伝送品質の向上や無線基地局の設置自由度の飛躍的向上を図った。また、これらの技術は、(財)電波システム開発センタにおいて制定されたPHS用エアインタフェース(RCR STD-28)の標準化にも大きく貢献した。

 一方、ネットワーク系技術においては、移動通信システムとして必要な各種機能を既存の公衆ネットワークをベースに実現する必要があった。具体的には、(1)位置登録、(2)追跡接続、(3)柔軟課金、(4)大容量データベース、(5)認証などの機能である。これらの豊富な機能を迅速かつ経済的に提供するため、ISDNサービスとの整合性を考慮し、既存のIインタフェースを機能拡張したPHS用ネットワークインタフェース(I'インタフェース)を提案し、PHS接続装置として実現した。また、これらの技術は(社)電信電話技術委員会において制定されたTTC標準にも大きく貢献した。

 PHSは、上記の技術開発のほかに、小型・軽量端末の開発、無線回線設計技術の確立等、数多くの新技術により実現したもので、その技術的先導性は世界的にも高く評価され、国外においても導入が検討されている。

 以上のように、1995年からサービス開始するPHSは今後のマルチメディア時代におけるパーソナル通信の中核として、国内はもとより国際的にも多大の貢献が期待できる。

 この技術に対して、電子情報通信学会は、1995年、小林忠男氏、関口英生氏、羽深龍二氏に業績賞を贈った。

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キーワード

パーソナルハンディホンシステム、PHS、携帯電話、無線通信システム
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