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PDS技術による経済化光アクセスシステムの開発実用化

PDSシステムの概要

図1 PDSシステムの概要

PDSシステムの伝送方式

図2 PDSシステムの伝送方式

シェアドアクセスの概要

図3 シェアドアクセスの概要

 21世紀のマルチメディア社会を迎えるに当たり、その重要な情報インフラストラクチャである光アクセス網を経済的に構築する技術の実用化が世界中から望まれている。

 渡辺隆市氏、三鬼準基氏、酒井隆司氏は、PDS(Passive Double Star)技術の研究開発により光アクセスシステムの飛躍的な経済化を達成し、既存メタリックコストと同等以下のFTTC(Fiber To The Curb)システム(πシステム)、及び通信とCATVが融合したFTTH(Fiber To The Home)システムからなる経済化光アクセスシステムを世界に先駆けて実用化・導入を行ったものである。

 現在NTTは、総延長約100万kmのメタリックケーブルを所有しているが、約40%が相当の年数を経過しており、順次新しい設備に更改していくことが必要とされている。また、多様化、高度化するお客様の要望に柔軟に対応し様々なサービスを提供するためには、各家庭まで光ファイバを敷設することが通信キャリヤの共通の目標とされているが、現在の光アクセス網はシングルスター網を用いたFTTC形態で光化が進められており、コストがかかるため普及が遅れていた。

 三氏は、このような背景のもと、光ファイバの高速かつ低損失な特徴を利用し、PDS技術による抜本的な経済性を追求したシステムの研究開発を行った。経済的なシステムの実現に向けて、PDS技術については部品レベルから技術を徹底的に洗い出し、WDM・多段光分岐方式技術、光TCM(ピンポン)技術、TDMA伝送技術など種々の考案や創意によって諸外国では開発されていない要素技術を開発することにより、1本の光ファイバで双方向伝送を行うPDS伝送方式を実現し、その成果を利用したFTTCシステム、及びFTTHシステムを実現化した。

 FTTCシステムについては、現在のメタルシステムと同等以下の経済性を達成することにより、従来のシステムでは成し得なかった各家庭の近傍までの光化を実現したものであり、1998年3月から本格的大量導入を開始している。本システムの導入によって、アクセス網への光ファイバの導入が進み、高速サービスの要望に対しても迅速に対応可能となる。

 また、FTTHシステムについては、FTTCシステムの通信部分と共用することにより経済性の発揮が期待でき、また、CATVの映像信号を同一光ファイバに重畳することにより、1本の光ファイバで安価に通信及びCATV事業者への映像伝送回線の提供を可能としたものであり、1997年7月から試験サービスとして提供を開始している。このような映像信号の提供はCATV事業者の方々からの要望が増え始めており、FTTHの一つの形態として期待される。

 以上のように、アクセス網の本格的な光化を行うシステムは世界的にも例がなく、その経済性と技術的な先導性は世界的に高く評価されている。

 この技術に対して、電子情報通信学会は、1999年、渡辺隆市氏、三鬼準基氏、酒井隆司氏に業績賞を贈った。


文献

[1] 渡辺隆市、玉木規夫、光加入者系(FTTH)実現への道、1999年、電子情報通信学会誌、Vol.82, No.3, pp.213-217
[2] 酒井 隆司、具体的な光化展開の進め方、1998年、NTT技術ジャーナル、Vol.10, No.2, pp.52-56
[3] 三鬼準基、大高明浩、玉木規夫、渡辺隆市、コンピュータ通信に適したSTM-PDS光アクセスシステム、1998年、NTT R&D, Vol.47, No.12, pp.1205-1210

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