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広帯域ATMワイヤレスアクセス技術の先駆的研究

 近年の携帯電話やPHS等の移動通信サービスの急速な普及拡大に見られるように、ワイヤレスアクセスの利便性は広く世の中に認められるところとなってきており、今後、ますますの発展が期待されている。一方、インターネット等の急速な普及拡大による通信量の急激な増大や高度情報化社会における多様な新サービスに対応するためには、ワイヤレスアクセスの高速・広帯域化が必須であり、本格的なマルチメディアに対応可能な次世代の広帯域移動通信システムの実現を目指して、世界的に研究開発が開始されている。

 ワイヤレスによるマルチメディア移動アクセスの実現には、光ネットワークとワイヤレスアクセスネットワークという性質の異なるネットワークの統合が重要である。そのため、光ファイバ通信をベースとする広帯域ATMバックボーンネットワークとシームレスに接続し、柔軟で多様なサービスの提供を可能とする高速・広帯域なワイヤレスアクセスシステムの実現が望まれている。

 梅比良正弘氏、松江英明氏、橋本明氏は、広帯域ワイヤレスアクセスシステムをATMネットワークにシームレスに接続するため、世界に先駆けて移動通信での高速ATMセル伝送のためのアーキテクチャを考案するとともに、高速かつ高信頼な無線伝送技術とQoS制御技術を確立し、更にシステム化により、マルチメディア移動アクセスの実現性を実証した。これらの広帯域ATMワイヤレスアクセス技術の研究開発の推進により、今後の広帯域移動通信システムの研究開発の展望が大きく開かれたといえる。

 三氏は、無線特有の厳しい伝搬環境において高速で高品質な通信を実現するため、ショートパケット化によりセル損失を低減した。また、自動再送制御とQoS制御技術を組み合わせ、ワイヤレス区間でのATMセルの高効率・高信頼伝送とQoS制御を実現する、ワイヤレス用ATMせる伝達アーキテクチャを考案した。更に、フェージング・干渉等を軽減する小型セクタアンテナ技術、誤り訂正・変復調技術、端末移動とフェージングに応じて適切なセクタを選択し、誤り率特性を改善するセクタアンテナ制御技術、セル損失低減のためセル単位で自動再送制御を行う高速・高効率ARQ技術等の高速・高信頼ATMワイヤレスアクセス技術、タイムスタンプ制御とQoSクラス別バッファ制御によるワイヤレス用ATMQoS制御技術等の要素技術を開発し、装置化を図ることで技術的実現性を検証した。また、これらの技術を適用して、伝送速度80Mbit/s、情報速度50Mbit/sの高速ATMワイヤレスアクセスシステムを世界に先駆けて試作し、ワイヤレスによる高速・高信頼ATMセル伝送の実現性、アプリケーション実験によりマルチメディア移動アクセスの実現性を実証した。

 以上のように、三氏は、広帯域ATMワイヤレスアクセス技術の研究開発において先導的役割を果たすとともに、システム化によってマルチメディア移動アクセスの実現性を実証しており、次世代の広帯域マルチメディア移動通信システムにキーテクノロジーを確立した。

 この技術に対して、電子情報通信学会は、1999年、梅比良正弘氏、松江英明氏、橋本明氏に業績賞を贈った。

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