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データ通信ができる列車無線システムの実用化

漏洩同軸ケーブル(LCX)

図1 漏洩同軸ケーブル(LCX)

漏洩同軸ケーブル(LCX)方式新幹線列車無線システムのあらまし

図2 漏洩同軸ケーブル(LCX)方式新幹線列車無線システムのあらまし

漏洩同軸ケーブル(LCX)敷設位置と車上アンテナ

図3 漏洩同軸ケーブル(LCX)敷設位置と車上アンテナ

 国鉄(現JR)の東海道・山陽新幹線の列車無線は、1964年の開業時から列車内の公衆電話や業務電話、走行中の列車と運転指令など外部との電話連絡が確保され、新幹線の重要な設備の一つになっていました。その後、世の中のデータ通信の利用増加に伴い、新幹線列車無線でもデータ通信が強く望まれるようになりました。しかし当初の列車無線システムは、列車と基地局との間を電波で結んでいたので、トンネルなどの地形や沿線の都市化などによる電波障害のため、電話(音声)には使えても、データ通信に要求される高信頼度無線システムではありませんでした。

 そこで、新幹線列車無線回線の品質と信頼度を高めるとともにデータ通信を行うために、漏洩同軸ケーブル(LCX)を新幹線沿線に敷設し、上り線・下り線のLCXを相互にバックアップさせる新しい列車無線システムが開発され、1983年開業の東北・上越新幹線で実用化されました。これによって1200ビット/秒のデータ通信が運用可能となったのです。

 図1は、LCXの構造です。普通の同軸ケーブルでは電波は中心導体と外部導体の間を進みますが、LCXでは電波が外に漏れるように外部導体にスロット(穴)が規則的にあけてあり、送信・受信アンテナの役目を果たします。図2は、LCXを用いた無線システムの構成です。図3に、新幹線のアンテナとLCXの位置関係を示しました。

 さらに1989年にはデータ速度を64キロビット/秒に増やし、旅客へのサービスと新幹線の信頼度の向上が図られましたが、この列車無線システムの実用化を推し進めた八木正夫さん、赤川馨さん、岸本利彦さん(当時国鉄)の3人に1984年、電子情報通信学会(旧称:電子通信学会)から業績賞が贈られました。



さらに詳しく知りたい読者は「専門向け」のページもご覧ください。


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博物館等収蔵品

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キーワード

列車無線システム、高信頼度移動通信、データ通信、移動無線の周波数有効利用、線状無線エリアの形成
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