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動作が安定なTJSレーザの開発研究
光ファイバ通信の光源に使われる半導体レーザは、ほぼ図1のような構造をしています。大きさは0.1mm×0.1mm×0.4mmほどで、材料が何層も重なってできていますが、その中の活性層が光を発生させます。図2のように、半導体の二つの面(鏡面)がちょうど鏡のように作用して、発生した光は両面の間で反射を繰り返すうちに光の強度が増し、レーザ光となって外に放射されるのです。活性層の屈折率は、上下の半導体層の屈折率より少しだけ高く、活性層内部で発生した光のうち、全反射できる光がレーザ光となります。
ところで、厚さ方向には半導体材料ごとに屈折率の差があるのに、幅方向に屈折率の差がないことから、レーザの動作が不安定になります。そこで幅の方向にも屈折率の差を設けて、レーザを安定させる構造が研究されました。図3のように、半導体レーザの斜線部分に不純物をしみ込ませ(拡散させ)ると、その先端部分(赤線)の屈折率が高くなり、ピンクの線と赤い線が交わるあたりに厚さ方向だけでなく幅方向にも全反射が起こる領域(活性領域)が生じるのです。このレーザは「TJSレーザ」と呼ばれます。
図4は、TJSレーザの光の波長(色)を調べた結果で、色が純粋(単一モード)であることが分かります。光通信や光情報処理用光源として用いるには、このように純粋な色で安定して発振するレーザが望ましいのです。それに、レーザ光を発生させるときの電流も15ミリアンペアと非常に少なく、また100万時間以上の寿命をもつものも作られました。
この研究に取り組んだ白幡潔さん、須崎渉さん、浪崎博文さん(当時:三菱電機)には1981年、電子情報通信学会から業績賞が贈られました。
ところで、厚さ方向には半導体材料ごとに屈折率の差があるのに、幅方向に屈折率の差がないことから、レーザの動作が不安定になります。そこで幅の方向にも屈折率の差を設けて、レーザを安定させる構造が研究されました。図3のように、半導体レーザの斜線部分に不純物をしみ込ませ(拡散させ)ると、その先端部分(赤線)の屈折率が高くなり、ピンクの線と赤い線が交わるあたりに厚さ方向だけでなく幅方向にも全反射が起こる領域(活性領域)が生じるのです。このレーザは「TJSレーザ」と呼ばれます。
図4は、TJSレーザの光の波長(色)を調べた結果で、色が純粋(単一モード)であることが分かります。光通信や光情報処理用光源として用いるには、このように純粋な色で安定して発振するレーザが望ましいのです。それに、レーザ光を発生させるときの電流も15ミリアンペアと非常に少なく、また100万時間以上の寿命をもつものも作られました。
この研究に取り組んだ白幡潔さん、須崎渉さん、浪崎博文さん(当時:三菱電機)には1981年、電子情報通信学会から業績賞が贈られました。
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電子・デバイス
(光技術)
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キーワード
光エレクトロニクス、レーザ・量子エレクトロニクス、半導体レーザ、レーザダイオード、単一モード発振