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分布定数回路合成理論の体系化

150MHz帯狭帯域通過形フィルタ

図1 150MHz帯狭帯域通過形フィルタ

 抵抗やコンデンサ、インダクタンスといった回路素子(電気部品)が導線(電線)で結び合わされたものを電気回路(回路)といいます。どんな回路を設計する場合も、電気技術者は回路の中の電圧と電流を予測できていなければなりません。

 ふつう電気機器などに使われている回路は、取り扱う信号の波長にくらべて、回路素子がせまい範囲にまとまっているので「集中定数回路」と呼ばれます。これに対して空間的な広がりや長さ(距離)を持っている電気回路のことを「分布定数回路」というのです。回路素子が一カ所の集中している取扱ができず、広い範囲に分布していると考えた方が分かりやすく、並行ケーブルや同軸ケーブル、LANケーブルといった伝送路を電気回路と見る場合、分布定数回路として扱った方がとても便利なのです。

 分布定数回路の理論的研究では、日本は早くから世界でリーダー的な役割を果たしてきましたが、1972年の電子通信学会論文誌に「分布定数素子を用いた基底帯域等化器」(西関隆夫、斎藤伸自共著)などの論文が発表されると、さらに世界の注目を集めることになりました。それまで解決できなかった難問を一挙に晴らすものだったからです。

 超高周波(VHF)になると、回路内の信号伝達時間も無視できなくなります。この論文で明らかにされた技術に基づいて、新聞社の自動車無線(150MHz帯)の混変調防止用アンテナ回路として、割り当てられた周波数だけを通過させる狭帯域濾波器を作ったところ、見事に変調を防ぐことができました(図1)。

 以上のように分布定数回路合成理論の体系化を中心とする一連の基礎的研究は、この分野に新しい局面を開きました。これを成し遂げた斎藤伸自さん(東北大学工学部通信工学科)には1990年、電子情報通信学会から「業績賞」と「小林記念特別賞」が贈られ、さらに1993年に科学技術庁長官賞を、米国電気電子通信学会(IEEE)からフェローの称号を受けました。



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