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ハイビジョン用のレーザーテレシネ

 映画は早くからテレビの番組素材として重視されてきましたが、臨場感あふれる大画面のハイビジョン放送にとっても非常に魅力ある番組素材でした。そこでNHK放送技術研究所は1975年、70mmフィルム用の「レーザーテレシネ」の開発に取りかかりました。「テレシネ」というのは、フィルム映画をテレビジョン信号に変換する技術で、高画質で変換するためにレーザーを利用することにしたのです。

 フィルム映画をテレビジョン信号に変換して記録したり放送したりするとき、大きな課題があります。フィルム映画は伝統的に毎秒24コマで撮影されるのに、テレビは例えば毎秒30コマなので、フィルム映画の各コマをそのままテレビジョン信号のコマに対応させると、映像の動きは20%ほど速くなり、声も“アヒル声”になってしまいます。そこで4枚の連続した絵から5枚の絵を作り出す工夫がされています。さらにカラーの場合は赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に色分解する必要があるのです。

 レーザーテレシネの基本原理は、レーザービームを使ってフィルム面を直接走査して画像を読み出します。その装置は、

 ① 赤、緑、青の3種類のレーザーからなる光源系

 ② 3本のレーザービームを重ね合わせるための反射作用と透過作用をもつミラー

 ③ レーザービームを走査する回転多面鏡

 ④ フィルムの送りを調整する走行系

 ⑤ フィルムを透過したレーザービームを再び3色のビームに変換する光学系

 ⑥ フィルムを透過したレーザービームを電気信号に変換する光電変換系

 ⑦ 毎秒24駒の映像を毎秒60駒の映像に変換する駒数変換

から構成されており、この装置によってピント(解像度)や色の再現などに優れた画質を得ることに成功しました。

 70mm映画は高画質なハイビジョンには最も望ましいのですが、その後は本数の多い35mm映画を対象としたレーザーテレシネの開発研究に切り替えました。そして35mmレーザーテレシネの実用機は1985年の筑波科学万国博覧会で初めて使用され、1988年から放送現場でも使われるようになったのです。

 以上のようなハイビジョン用レーザーテレシネ装置の開発研究を推進した石田武久氏(NHK)は1985年、社団法人日本映画テレビ技術協会から表彰されました。



さらに詳しく知りたい読者は「専門向け」のページもご覧ください。


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放送
(放送局の仕事と設備)

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1985年
筑波科学万博で使用

世の中の出来事

1985
つくば市で科学万博が開幕する。
1985
電電公社が民営化され、NTTが発足する。

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キーワード

ハイビジョン、テレシネ、レーザー、ハイビジョン、テレシネ、番組制作・運行、放送現業、色再現
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