1. HOME
  2. 電気・情報関連(入門)
  3. 研究情報(登録番号1916)

指静脈認証技術の実用化

入退管理用指静脈認証装置

図1 入退管理用指静脈認証装置

ATM用指静脈認証装置

図2 ATM用指静脈認証装置

指静脈認証の原理

図3 指静脈認証の原理

 自分の指を眺めても指紋やしわしか見えません。肉眼では見えない指の中を走る静脈血管の紋様を機械で読み取り、その人が誰であるかを瞬時に判定する技術、それが指静脈認証技術です。静脈は体内にあって傷つきにくく、簡単には見えないので盗み取られる危険性が少ないという特長があります。また自分の指を、あたかも鍵のように使うことができるので、忘れたりなくしたりしない究極の鍵として利用できます。現在、この技術は重要な施設の入室からパソコンのログイン、銀行の現金自動取引など幅広く用いられています。
 1997年、10年後のインターネット利用における安全性について議論しました。その結果、ネット上で商品の売り買いが行われるようになると、なりすましのできない本人確認方法が必須である、との考えに到りました。従来から暗証番号の入力や身分証明書のカードを提示する本人確認方法がありましたが、これらは盗まれ、使われてしまう危険性があります。これを防ぐには、盗まれない本人確認方法が必要となります。
 そこで着目したのが個人の身体の特徴を使って本人確認を行う生体認証という技術でした。生体認証には、指紋、目、顔のかたちによる方法がありますが、これらは目で見てすぐわかるため、真似されやすいという、安全上の問題がありました。この問題解決のため、簡単には見ることができない身体内部の特徴が使えないかと考え、当時まだ世界中でどこも実用化していない指静脈を利用した認証技術の開発に挑戦しました。
 近赤外光という光には、人体を透過しやすいが、血液中の血色素に吸収されやすいという性質があります。この光を指に当て、指を透過した光をカメラで撮影すると、指の静脈が影絵のように映ります。こうして撮影した静脈の形と、あらかじめ登録されている静脈の形を照らし合わせて調べると誰の指かわかります。これが指静脈認証技術の原理です。
 2002年、大量の指静脈サンプルによる検証を終え、最初の製品を出荷しました。その後、製品の性能向上はもちろんのこと、使い勝手の向上、小型化など次々と技術改良を積み重ね、出願した特許は全世界で500件(2011年)になります。この技術は、高い安全性と幅広い年齢層の方々が利用できることが不可欠の金融機関において採用が進み、生体認証を採用する金融機関の約8割が指静脈認証を採用し、日本の事実上の標準となっています。



さらに詳しく知りたい読者は「専門向け」のページもご覧ください。


関連する研究を検索

分野のカテゴリ

通信
(通信に係わる技術)

関連する出来事

データなし

世の中の出来事

2008
後期高齢者医療制度がスタートする。
2008
米投資銀行リーマン=ブラザースが経営破綻する(リーマン=ショック)。

Webページ

データなし

博物館等収蔵品

データなし

キーワード

生体認証、指静脈、静脈イメージング方式
Page Top