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パターン認識に関する研究

我が国で初めて開発された文字読取機

図1 我が国で初めて開発された文字読取機

超高性能OCR"ASPET/71"

図2 超高性能OCR"ASPET/71"

 パターン認識問題は、単に電子計算機の入力機器を開発していくということだけでなく、情報科学における本質的な問題にかかわるものであって、その問題解決の困難さは、現在ますます深く認められている。

 飯島泰蔵氏は、1958年(昭和33年)に電子技術総合研究所(当時の電気試験所)で開始された我が国最初の文字読取機の研究試作に参加した。その時の経験から、パターン認識問題の根本的解決を計るためには、パターン集合のもつ位相構造を解明し、その構造に立脚した特徴抽出理論を確立していかなければいけないという考えに到達した。パターン認識問題は大きく特徴抽出と識別の2つに分類され、当時の研究者が専ら後者の識別問題にのみその主力を注いでいたこと、及び、電子計算機を武器とした論理的処理あるいは統計的処理にのみ頼っていたことを思えば、これは注目すべき思想的転換であった。

 同氏は、その後10余年にわたる歳月を掛けてこの思想を具体化し、全く独自の理論体系を確立してきた。それは、図形観測時に加わるボケの変換を基にして、図形の満足すべき基礎方程式を導くことから始まり、最終的には、図形のもつ内部構造を明らかにする一般表現形式を与え、任意に与えられた図形の構造を確定するための諸係数の計算手段を確立したものである。その全貌は、"図形の基礎方程式と観測変換"(本会論文誌C、1971年(昭和46年)7月号)に始まる前後7編の論文として発表されると共に、著書"パターン認識"(コロナ社、1973年(昭和48年))にまとめられた。

 更に同氏は、この理論を基礎にして識別理論の研究へと進み、"複合類似度法"と名付けられた新しい識別方式を提案した。そして、東京芝浦電気株式会社の協力によって超高性能OCR"ASPET/71"の開発に成功し、従来絶望視されていた低品質印字の読取りを可能にした事実は、周知のところである。

 このように、図形パターンの認識問題を、初めて確固たる学問的基盤の上に据えたばかりでなく、OCR技術にも新しい局面を開き、この分野の世界的発展に寄与した。

 この技術に対して、電子通信学会は、1977年、飯島泰蔵氏に業績賞を贈った。


文献

[1] 飯島泰蔵、図形の基礎方程式と観測変換、1971年、電子通信学会論文誌、54巻C、7号
[2] 飯島泰蔵、文字読取装置ASPET/71、1973年、テレビジョン、27巻、3号
[3] 飯島泰蔵、パターン認識<電気電子工学大系43>、1973年、(株)コロナ社
[4] T. Iijima、Basic equation of figure and observational transformation、1971年、Trans. of the Institute of Electronics and Communication Engineers of Japan, vol.54-C, no.7.
[5] T. Iijima、Optical character reader ASPET/71、1973年、Television, vol.27, no.3.
[6] T. Iijima、Pattern recognition <Library on Electricity and Electronics Engineering>、1973年、Corona Inc.

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