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びびり振動検知/自動回避機能を有する知能化加工システムの開発

本知能化加工システムの装置構成

図1 本知能化加工システムの装置構成

安定限界線図の一例

図2 安定限界線図の一例

本システムの適用事例

表1 本システムの適用事例

制御による加工面の変化

図3 制御による加工面の変化

1.概要

 厳しい価格競争と高品質の実現を求められている製造業において,加工能率の向上は大きな課題の一つとなっている.加工機械の技術革新によりハイパワーの加工が可能になってきているにも関わらず,依然として実績に則った加工条件が使われることが多い.その要因として,加工条件を高めると加工不具合であるびびり振動が発生し易くなることが挙げられる.びびり振動が発生した場合,加工面の悪化,工具やホルダの破損に至ることがあるため,びびり振動の解消に多大な労力と時間を費やすのが常である.従来,熟練技能者は経験を活かしながら試行錯誤で適切な加工条件を見つけてきたが,その妥当性を検証することは困難である.また,びびり振動の種類により異なる対策が講じられるが,その判別法が体系化されているとは限らない.このような背景から,最適な加工条件を短時間で容易に探索する知能化加工システムを開発した.

2.技術の内容

 本知能化加工システムの基本的な装置構成を図1に示す.機械に内蔵した加速度センサの値がしきい値を超えた場合,びびり振動を抑制できる主軸回転速度を瞬時に算出し,自動的に主軸回転速度を変更する.制御された結果は,工具情報としてCNC装置内に記録される.そして,次回NCプログラムで主軸回転速度が指令されると,記録を確認して自動的に主軸回転速度を変更することも可能である.

 びびり振動の一種である自励型再生びびり振動において,正常な加工ができる安定領域とびびり振動が発生する不安定領域は図2に示す安定限界線図で表すことができる.自励型再生びびり振動は主軸回転速度を変化させると安定領域と不安定領域が交互に現れるので,適切な主軸回転速度を選ぶことで,より安定で高能率な加工が行える条件設定が可能となる.この安定限界線図はインパルス加振によって求められることが知られているが,高価な測定器を用いた専門的な事前測定が必要となる.一方,本技術では加工中の振動から安定限界線図を算出するため,その作業が不要となる上,実加工状態であるため,より高精度な算出結果となる.

 本機能をモールドベースのポケット加工に適用した事例を表1に示す.工具は径φ16mmのソリッドエンドミルで,軸方向切り込み40mmの条件で加工を行った.主軸回転速度4900min-1で加工するとびびり振動が発生したため,本システムを動作させたところ,主軸回転速度が自動的に5270min-1に変更され,安定した加工となった.加工面においても,びびり振動が発生した場合にみられる斜めの線が,図3に示すように制御により,安定加工の場合にみられる縦の線に変化した.

3.まとめ

 開発した知能化加工システムは,2009年発売以来200台以上が納入され,ユーザの生産性向上に貢献している.今後,さらに工作機械の加工能力を最大限に活かす新技術へ発展させていきたい.

 本研究の成果に対して、日本機械学会は、2011年、千田治光(オークマ(株))、稲垣浩(同左)、上野浩(同左)、浜口顕秀(同左)、山下守(同左)に日本機械学会賞(技術)を贈った。

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びびり振動、自動回避、知能化加工システム
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