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電波天文衛星「はるか」の開発とスペースVLBIの実現

 電波望遠鏡を人工衛星に載せることによって、地球上のVLBI(超長基線干渉計)を宇宙に拡張し、クエーサーや銀河等の天体の超高分解能イメージング観測を行うことを目指すスペースVLBIを、文部科学省宇宙科学研究所は科学衛星「はるか」により世界に先駆けて実現した。

 「はるか」は1997年2月に打ち上げられ、電波望遠鏡衛星としての機能を確立した上で、国立天文台、通信総合研究所、世界の地上電波望遠鏡(40数局)、天文台(米国、カナダ、オーストラリア、欧州など)、宇宙機関(NASA、カナダほか)などとの大規模な協力の下で、スペースVLBIによる天文観測を行ってきた。スペースVLBIによる観測画像の分解能は、ハッブル望遠鏡に比べて100~300倍勝るものであり、2001年夏までに約650観測を実施し、天文学、宇宙物理学に大きく貢献した。

 「はるか」によるスペースVLBIの成功は、衛星搭載大型展開アンテナ、高位相安定双方向マイクロ波通信、搭載電波天文観測システム、高精度衛星姿勢制御、精密軌道決定、地上での観測データの高速相関処理、地上電波望遠鏡群・5局の衛星追跡局を含む大規模観測運用システムとそのためのネットワーク形成など、電気通信技術、情報処理技術、システム工学などにかかわる数々の工学的課題の達成の上に築き上げられた総合的成果である。

 廣澤春任氏、平林久氏は、宇宙科学研究所、国立天文台などの研究者・技術者からなる衛星開発プロジェクト実行チーム、更には、海外の研究者が多数参加するスペースVLBI観測実行のための国際チームを率いて、「はるか」衛星プロジェクトの推進にあたってきた。

 廣澤春任氏は、衛星開発において、何度の高かった大型展開アンテナ開発の方向づけとその推進、高い位相安定度が要求される地上局・衛星を含めた位相基準信号伝送系の技術開発、電波天文衛星というそれまで前例のなかったシステムの設計とその地上系と一体となった試験などに深くかかわるとともに、このプロジェクト推進実行の責任者(プロジェクトマネージャー)として、衛星システムの完成とその軌道上実験の遂行にあたって、大きな責任を果たした。

 平林久氏は科学担当の責任者(プロジェクトサイエンティスト)として、衛星搭載の電波天文観測システム開発、スペースVLBI用相関処理システム開発などの中心となったほか、スペースVLBI観測のための国際協力の機構とその運用システムの形成にあたって中心的なリーダーとなり、これまでの約4年にわたるスペースVLBI観測実行にあたって責任者を務めてきた。

 以上のように、両氏はその指導力と献身のもと、世界最初のスペースVLBIの実現・成功において大きな貢献をした。

 この技術に対して、電子情報通信学会は、2002年、廣澤春任氏、平林久氏に業績賞を贈った。

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スペースVLBI、電波天文衛星「はるか」、その他(通信一般)
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